家紋
『幸田文 箪笥の引き出し』(青木玉/著 新潮社)の中の「誰が袖」には、家紋のことも書かれていて、シンプルでお洒落な「鬼蔦」の背紋のある羽織を着た著者・青木玉さんの写真が載っていました。
紋には、「表紋、
かげ紋、中かげ紋、のぞき紋、縫い紋」などがあるそうで、用途によって使い分けるのは勿論ですが、その他にも、定紋には関係なく、好みの文様を付ける「替紋」や、綺麗な色の糸で、「花、鳥、蝶」などの文様を刺す(和刺繍)「加賀紋」というのもあるのです。
「加賀紋」といえば、
以前「おしゃれ工房」で、草乃しずかさんの作品を見たことがありますが、本当に美しくて感動しました。
不器用で根気のない私には、到底出来そうにありませんが…
その昔、「着ないから絶対に作らないで!」という私の訴えを無視して、母が縫ってしまった着物に…仕付け糸の付いたまま何十年も箪笥で眠っている…、どんな紋が付いているかも知らないし、今後、もし、紋が付いた着物を作らなければならなくなったに時は…有り得ませんが…定紋にはこだわらず、好みの紋を付けるでことしょう。
絵心やセンスがあれば、自分でデザインするでしょうが…
今は留袖を持っていても、手入れが面倒で、がかえってクリーニング代高くつくからと、貸衣装で済ませる人も多いと聞きます。
余程の家柄の人でない限り、家紋など気にする人はいないのではと思っていましたが、意外にそうでも無いらしく、貸衣装では紋が違っても仕方ないけれど、もし作るなら、当然、家の紋に決まっていると言われ、私は変わり者扱いでした。
戸籍に登録されてる訳でもないし、紋も意匠の一種と自分の好みのものを付ければ良いのでは?と思うのですが、そういう考えはやっぱり異常なのでしょうか?
そういえば私の母も、婚家の紋が好みじゃないからと、作る着物には実家の紋を付けていました。
母も変わり者なのか、それとも着物を日常着にしていた時代の人の方が、自由なのかは分かりませんが…
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コメント
森田たまさんの『もめん随筆』に、関東では家族の紋は統一されていますが、
大阪では男子は父親の紋、女子は母親の紋を付けることが多く、
従って、一家の中で、舅、姑、嫁がそれぞれ違う紋章を付けていることも
珍しくないとありました。
なぜ女の子が母の紋を付けるかと言えば、離縁した時に無駄がないからだとか。
紋の付け方も、地方によって様々なんでしょうね。
私は、「替紋」にしますけどね…フフ
投稿: Michi | 2010年3月21日 (日) 13:10
紋付きの着物に関しても、いろいろなやり方があるのですねφ(.. )
わたしは、女は母方の紋付きを着るように、と教わりました。
それだって、岡山が実家ですが、岡山のやり方とは限らないですよね。
嫁いだ先のやり方に合わせるのが1番なのかな(笑)
綺麗な刺繍の紋、とても素敵です☆
投稿: I Love アボンリー | 2010年3月21日 (日) 08:57