『幸田文の箪笥の引き出し』
←幸田文さんが刺した和刺繍の半襟
『幸田文の箪笥の引き出し』 青木 玉/著 新潮社
『幸田文の箪笥の引き出し』には、着物にまつわる母・幸田文さんとの思い出が、
美しい写真と共に綴られていました。
職業柄それなりの着物が必要だった幸田文さんでしたが、
絵羽や付け下げなどの訪問着ではなく、
地紋のある綸子や無地のものが多かったようで、
普段着も無地や縞、格子などが好みだったとのことでした。
でも娘の玉さんのために選んだ着物は意外に華やか…
年齢の違いというより傾向が違うと言うか…
地味好みだったり粋好みだったりする人でも、
娘の着物を選ぶとなると、自分のものとはまた違うのかも知れません。
文さんの着物を着た玉さんの写真もありましたが、
あまり似ていないように感じました。
性格が優し過ぎるほど優しかった父親似なのか、
それとも、玉さんの文章からの先入観かなのか分かりませんが、
表情や雰囲気などが、文さんより控え目で物静かな感じに思えました。
あれ程、気丈な母親に見ていれば、誰だって自分を卑下してしまうでしょうが、
生来が活発だった文さんにしても、、強くならざるを得なかった境遇でしたから。
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