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『幸田文 きもの帖』…(3)

着物の柄や和の色、履き物、日本髪などのことが書かれていたことは、
先日の『幸田文 きもの帖』…(2)で書きましたが、
それ以外に、思いがけない懐かしい言葉を見つけました。

それは「晩春初夏」の中の、「エヴァープリーツのスカート」のことで、
始めは何のことか分からなく、注釈を見ると、
「パーマネント加工のプリーツ」と書かれてありました。

1961年(文さん56歳)当時、私は小学生…私にもあったっけ、そのスカートが…
それまでのプリーツスカートといえば、母の手作りのウールのものばかりで、
チクチクしたり、雨に遭うとプリーツが取れてしまったりで大変でしたが、
そのポリエステルのプリーツスカートは、軽くて、プリーツも消えることもなく、
新しい時代の到来、といった感じがしました。

細長い箱に入っていて、
確か、5ミリ程のとても細かい「追いかけひだ(車ひだ)」のものと、
パラパラっとした、広め(2cm位?)のアコーデオンプリーツの2種類があって、
私のは後者、色はコゲ茶色でした。

他に何色が売られていたかは知りませんでしたし、
コゲ茶色が嫌いだった訳でも無いのですが、
衣服に限らず、「何色がいい?」とか、「どっちが好き?」などと聞かれたことはなく、
全ては、母の好みに掛かっていたので、嬉しさも複雑でした。
好みが、まるで違っていたから…

既製のスカートを買ってもらったのは、
それが最初で最後だったような気がします。
なにしろ、中・高校生の制服や防寒コートも母の手作りでしたから。

「帝人テトロン」という言葉が懐かしい。

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