『幸田文 きもの帖』…(2)
とにかく、知らないことばかり…
「ひかがみ」は辛うじて分かりますが、着物についてはお手上げ状態…
それでも、母が和裁をしていたので、
「絵羽」「付け下げ」「裄(ゆき)」「衽(おくみ)」くらいは分かりますし、
文様にしても、「麻の葉」「青海波」「紗綾形(さやがた)」「亀甲」「七宝」くらいは
何とか知っていましたが、他は、注釈を頼ってばかり。
「結城」「銘仙」「メリンス」「キャラコ」などは、どうにか分かりましたが、
「水浅黄」「お納戸色」「ひわ色」「鴇(とき)ねず」「蘇芳(すおう」、
「縹色(はなだいろ)」などは、耳にしたことはあっても、
どんな色なのかは見当もつかず、『色の手帖』(小学館)や和色大辞典で確認…
また、私には区別も付きませんが、下駄も天候や用途に応じて、
「足駄」「日和下駄」「駒下駄」「藤おもて」と履き分けていたらしく、
「爪皮(つまがわ)」という名も聞いたはずなのに、すっかり忘れていました。
これらは明治や大正生まれの女性なら、誰でも知っていたことなのでしょう。
着物に纏わる名称や所作だけでなく、
昔は普通に使われていた言葉も、消えてしまったことを思い知らされました。
便利な物と引き替えに、なくしてしまったことの多さと言ったら…
幸田文さんが最も好きだった写真。
「性格が全部出ている」と言っていたそうです。
昭和28年(1953年、49歳)頃、自宅にて。
(撮影・木村伊兵衛)
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