『もめん随筆』
『もめん随筆』も、『回想の太宰治』と一緒にネット注文したものですが、
私が最初にこの本を読みたいと思ったのは、中学生の時でした。
多分、新潮文庫本の既刊リストで知ったのだと思いますが、
学校の図書室にも書店にも見つからず、読めないままになっていましたが、
昨年の暮れに図書館で借りた本に、森田たまさんの随筆が載っていたことで
思い出したという次第なんです。
調べたところ、中公文庫本から復刊されていると知り、
もちろん図書館(初版本も)にもありましたが、
半世紀近く経って思い出したのですから、もうこれは買うしかないでしょ。
と…
森田たまさんは、私の祖父母より少し年上の明治27年(1894)札幌生まれで、
この本の底本も1936年出版なため、読点の少ない歴史的仮名遣いで書かれていて、
確かに、今とは比較にならないほど美しい日本語でした。
それはいいのですが、当時の中産階級に属す平均的な人間には、
平等とか差別とかいった観念は無かったのでしょうから仕方ないのですが、
今なら問題とされる表現(差別用語)も多く、有閑マダム的な日常生活と考え方に、
共感を覚えることは無かったです。というより辟易としてしまって…
これ、貧乏人のひがみというものですね…
永年の憧れの本だったのに、
期待していたような、純朴さ、優しさ、逞しさ、大らかさ、といったような
「木綿」のイメージは感じられず、なぜ題名を「もめん」にしたのか、
理解できませんでした。
(木綿に対する思い込みでしょうか?それに、まだ途中なのに…)
もし中学生の頃に読んだなら、きっと途中で投げ出していたでしょうね。
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