「なまえをかいた ~吉田一子・84歳~」
ETV特集「なまえをかいた ~吉田一子・84歳~」
(ナレーターは市原悦子さん)
信じられないですが、豊かで先進国といわれる日本には、
差別と貧困ゆえに戸籍さえなく、小学校に一日も通ったこともなく、
平仮名も書けない人たちがいる…それどころか、鉛筆さえも持ったことがない…
現在84歳の吉田一子(かずこ)さんもその一人です。
吉田さんは60歳を過ぎてから、平仮名だけでも習おうと、
大阪府富田林市立人権文化センターの、識字教室に通い始めたのですが、
鉛筆の持ち方も分からないし、平仮名の丸みが難しくて書けなかったそうです。
ようやく平仮名を書けるようになった時、
それまで文字で表すことが出来なかったことを、日記や詩に書きました。
吉田さんが70歳の時に書いた作文「なまえをかいた」には、
貧しくて学校に行けなかった子どもの頃の悲しい思い出や、
名前が書けないために自分の年金が下ろせず悔しい思いをしたことなどが、
綴られていて、この作文は、部落解放文学賞最優秀作品となったそうです。
吉田さんをモデルにした『ひらがなにっき』(絵・長野ヒデ子)という絵本も
出版されたことで、地元ではちょっとした有名人で、
最近では小中学校からの講演依頼があり、体験談をお話しされています。
現在は、小学2年生の教科書で漢字の勉強をされていましたが、
書くことが生き甲斐となっているそうですから素晴らしい…
何歳になっても、学ぶ喜びを持ち続けたいものですよね…
関係ないですよ、年齢は…
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コメント
学ぶ楽しみや知る喜びを味わうこともなく、ただ一方的に知識を詰め込まれているだけだったなら、勉強は苦痛でしかないでしょうね。残念ながら現実は理想とは程遠いようです。吉田さんも小学校にも通えなかったからこそ、字が書けることに喜びを感じられるのかも知れませんね。ただ、吉田さんは平仮名は誰からも教えて貰えなかったのですが(勉強する時間もなかったのです)、九九だけはお父さんがしっかり教えてくれたそうですよ。
投稿: Michi | 2010年1月18日 (月) 23:39
文字は、言霊。翼をもったように世界が広がった喜び吉田さんのうれしかった気持ち感じることが出来ます。山本一力さんが「勉強は後付けできる」というコメントを新聞に寄せてましたがいつでも学ぶことはできるのですよね。学びたいという欲求は強いのですが教えたいとか指導するとかいうのは希薄ですね。これはこれで困りものなんでしょうか。
投稿: katarohina | 2010年1月18日 (月) 19:46