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『暗い血の旋舞』

20091204
『暗い血の旋舞』 松本清張/著 日本放送協会

本棚を眺めていたら、『暗い血の旋舞』に目が留まりました。
この本は、明治時代の駐日オーストリア公使、
ハインリヒ・クーデンホーフ=カレルギーの妻で、
EUの父と言われたリヒャルト・クーデンホーフ=カレルギーの母でもある、
クーデンホーフ光子(青山ミツ1874/7/24~ 1941/8/27)の伝記ですが、
著者は松本清張なのです。
(松本清張の作品って、題名自体が怖いですよね。)

昔、NHKで放送されていた、「国境のない伝記 ミツコー二つの世紀末」
(吉永小百合さんが青山みつに扮していました)というドキュメンタリー番組の
共同取材による作品ですが、青山みつさんの生涯だけでなく、
フランツ・ヨーゼフ1世、ルートヴィッヒ2世や、ボヘミア貴族、
ハプスブルク家などについても書かれていて、
写真も沢山載せられている、大変興味深い一冊でした。

結婚されたのは日本で、二人の男子を授かりますが、
夫の帰国後は、言葉の通じない異国で、5人の子供をもうけ、
夫亡き後、7人の子供たちを育て上げたのですから、
勇気あるというが、明治生まれの大和撫子って。凄いですよね。
一度も日本に帰ることもなかったそうですし…

よく、青山みつさんは、“ウィーン社交界の華”だったなどと言われますが、
何かで読んだのですが、実際は違ったようです。

写真館で写したと思われるドレス姿のポートレートはありますが、
どこの国かも分からないアジア人の彼女を、
貴族たちは、相手にしなかったようなのです。

香水の「ミツコ」についても、誰が言い出したかしりませんが、
実は違うようです。

数年前、テレビで、みつさんの孫にあたる画家の男性(70歳前後?)が、
日本で生活されている様子を見ましたが、今でもいるのでしょうか?

ところで、
NHKのHPを見たところ、松本清張生誕100年ということで、
昔放送されていたドラマの再放送があることを知りました。

「けものみち」<全3回> 12月6日(日)PM 1:00~2:11、2:11~3:20、3:20~4:30
(1982年 名取裕子、山崎努、伊東四朗、加賀まりこ、西村晃、石橋蓮司)
「遠い接近」 12月6日(日)PM 4:30~5:45
(1975年 小林桂樹、吉行和子、伊佐山ひろ子、荒井注、下元勉、笠智衆、中条静夫)
「天城越え」 12月8日(火)PM 9:00~10:27
(1978年 大谷直子、佐藤慶、鶴見辰吾、中村翫右衛門、宇野重吉) 
…鶴見辰吾さんは、「金八先生」の時より前でした…      

20091204b
『けものみち』 松本清張/著 新潮文庫

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コメント

そう、題が不気味ですよね~
いかにも松本清張さんらしいですね。

投稿: Michi | 2009年12月 4日 (金) 22:40

この本、我が家にもあります☆

題と内容がそぐわないと思いましたが、好きな本です♪

投稿: I Love アボンリー | 2009年12月 4日 (金) 21:36

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