『暗い血の旋舞』
本棚を眺めていたら、『暗い血の旋舞』に目が留まりました。
この本は、明治時代の駐日オーストリア公使、
ハインリヒ・クーデンホーフ=カレルギーの妻で、
EUの父と言われたリヒャルト・クーデンホーフ=カレルギーの母でもある、
クーデンホーフ光子(青山ミツ1874/7/24~ 1941/8/27)の伝記ですが、
著者は松本清張なのです。
(松本清張の作品って、題名自体が怖いですよね。)
昔、NHKで放送されていた、「国境のない伝記 ミツコー二つの世紀末」
(吉永小百合さんが青山みつに扮していました)というドキュメンタリー番組の
共同取材による作品ですが、青山みつさんの生涯だけでなく、
フランツ・ヨーゼフ1世、ルートヴィッヒ2世や、ボヘミア貴族、
ハプスブルク家などについても書かれていて、
写真も沢山載せられている、大変興味深い一冊でした。
結婚されたのは日本で、二人の男子を授かりますが、
夫の帰国後は、言葉の通じない異国で、5人の子供をもうけ、
夫亡き後、7人の子供たちを育て上げたのですから、
勇気あるというが、明治生まれの大和撫子って。凄いですよね。
一度も日本に帰ることもなかったそうですし…
よく、青山みつさんは、“ウィーン社交界の華”だったなどと言われますが、
何かで読んだのですが、実際は違ったようです。
写真館で写したと思われるドレス姿のポートレートはありますが、
どこの国かも分からないアジア人の彼女を、
貴族たちは、相手にしなかったようなのです。
香水の「ミツコ」についても、誰が言い出したかしりませんが、
実は違うようです。
数年前、テレビで、みつさんの孫にあたる画家の男性(70歳前後?)が、
日本で生活されている様子を見ましたが、今でもいるのでしょうか?
ところで、
NHKのHPを見たところ、松本清張生誕100年ということで、
昔放送されていたドラマの再放送があることを知りました。
「けものみち」<全3回> 12月6日(日)PM 1:00~2:11、2:11~3:20、3:20~4:30
(1982年 名取裕子、山崎努、伊東四朗、加賀まりこ、西村晃、石橋蓮司)
「遠い接近」 12月6日(日)PM 4:30~5:45
(1975年 小林桂樹、吉行和子、伊佐山ひろ子、荒井注、下元勉、笠智衆、中条静夫)
「天城越え」 12月8日(火)PM 9:00~10:27
(1978年 大谷直子、佐藤慶、鶴見辰吾、中村翫右衛門、宇野重吉)
…鶴見辰吾さんは、「金八先生」の時より前でした…
| 固定リンク
「* 本」カテゴリの記事
- 『早春物語』(赤川次郎・著)(2014.11.06)
- 『すらすら読める枕草子』…2(2014.10.14)
- 『すらすら読める枕草子』 (2014.10.07)
- 「花子とアン」と「アンのゆりかご」(2014.09.14)
- 「アンのゆりかご 村岡花子の生涯」(2014.04.30)
「* ドキュメンタリー」カテゴリの記事
- 不死鳥都市の100年(2015.01.06)
- 「塀の中の“自由”~アフガニスタンの女性刑務所~」(2014.03.15)
- 「中国文明の謎 第3集 始皇帝“中華”帝国への野望」(NHKスペシャル)(2012.12.04)
- 赤毛のアンの島(2012.11.25)
- NHKスペシャル「中国文明の謎 第2集 漢字誕生 王朝交代の秘密」(2012.11.13)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
そう、題が不気味ですよね~
いかにも松本清張さんらしいですね。
投稿: Michi | 2009年12月 4日 (金) 22:40
この本、我が家にもあります☆
題と内容がそぐわないと思いましたが、好きな本です♪
投稿: I Love アボンリー | 2009年12月 4日 (金) 21:36