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こだわり人物伝…「松本清張 孤高の国民作家」

「知る楽」の水曜日は「こだわり人物伝」、
11月は「松本清張、孤高の国民作家」
1回目は、「『点と線』~ミステリーの新たな潮流」と題し、
語り手は、阿刀田高さんでした。

(「こだわり人物伝」のHPには、
同士、ファン、後読者(?)が熱く語るマニアックな人物評伝
とありましたが、確かに…!)

太宰治が、今年、生誕100年なら、松本清張も生誕100年だったのですね。
お二人が同年齢だったとは、何だか意外な気がします。

一人は、私が生まれる前に亡くなっていて、
一人は、つい最近まで(私の感覚では)執筆活動をしていたイメージだから…

清張さんの小説は、30年くらい昔に夢中になって読みました。
読んでいた新潮文庫は20冊以上で、今もあります。
もちろん『点と線』も。

でも、面白くて、あんなに読んだのに、ほとんど覚えていないのです。
『点と線』にしても、時刻表を使ったトリック以外、内容の記憶がないのです。

清張さんの小説の僅かな記憶では、
描く犯人というのは、心底悪人ではなく、不条理な社会の中で、
止むに止まれず結果的に殺人を犯してしまう、という悲しい人が多かった。
政界などの裏側を暴いていたのも特徴でした。
それらが「社会派と」言われた所以かも。

『天城越え』は、小説より、昔(30年位前)、NHKで放送したドラマの方が、
鮮明に覚えています。

大谷直子さん、鶴見辰吾さん、宇野重吉さん、佐藤慶さんなどが出演されていて、
友達と何度も歩いた、天城トンネルや天城の山々で撮影されていたので、
物語そっちのけで、景色だけを観ていました。
何度か再放送もあったような…

“清張さんは、『伊豆の踊子』を意識して『天城越え』を書いたのでは…?”
旧制高校に通えるのは恵まれた境遇であり、
旅芸人に対しても上から目線…少なくとも『天城越え』は同等ですから。

阿刀田高さんも、『伊豆の踊子』との違いを語っていましたが、
私も同じようなことを感じていました。

20091105
『点と線』 松本清張/著 新潮文庫

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