『女たちの山 シシャパンマに挑んだ女子隊9人の決算』…(3)
『女たちの山 シシャパンマに挑んだ女子隊9人の決算』は、
隊員が実際に書いた『アンナプルナ 女の戦い7577m』や、
『私たちのエベレスト 女性初登頂の全記録』、
田部井淳子さんの、
『エベレストママさん 山登り半世紀』『エプロンはずして夢の山』
などの多くの著書や、
北村節子さんの『ピッケルと口紅』といった本のような臨場感が今一つで、
著者の主観が入り過ぎていたことで、
逆に、説得力にも欠けていたように感じました。
文中に、「中国登山協会から送られてきた、登山に伴う協力作業の値段表」
というのが書かれていましたが、そのあまりの高額には、驚いてしまいました。
(このことは、『ピッケルと口紅』にもあって、
北村さんたちは経費削減のために、中国まで交渉に行ったとのことでした。)
要約すると、
「内陸輸送には、解放軍のトラックをチャーターする。
車自体のチャーター料の他に、走行距離に比例した使用料とガソリン代、
運転手の人件費、雇った協力員(シェルパに相当)の日当と食費、
その人達に料理するコックの日当と食費、
彼らを監督する連絡官と、その助手(通訳)の日当と食費、
彼らは漢人なのでコックも別、そのコックの日当と食費
何かあった時のために、BCにジープを常駐させるが、
たとえ走らなくても、チャーター代とその運転手の日当と食費、
荷揚げに使うヤクは、1日に4000元、
(ちなみに、北京等の都市部での勤労者の月収は、50~60元)
ヤクを扱うヤク使いの日当と食費…
協力員の1日の日当は22元(当時の日本円で、約3,300円)で、食費も同額
(チベットに赴任している医者の月収が67元(約1万円))
また、チベットにいるだけで、1日1人、日本円で、2万~4万円の滞在費が取られ、
浴室の湯が出ないのに、ホテルの宿泊費が1泊35,000円、
当然、外国人向けの料金だが、協力員が一緒に宿泊した場合、
協力員の分も、外国人と同じ宿泊費が請求される…」
金額は分かりませんが、勿論、入山料も必要です。
日本隊(外国隊)が払う「日当+食費」は、国の収入になるのでしょうが、
協力員たちの、実際の日当や食費はどの程度だったのか気になりました。
これらは、全て30年位前のことなのですが、
現在は、どうなのでしょう…?
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