« 『山からの贈り物』 | トップページ | 「女(わたし)が愛した作家 太宰治」…(2) »

『山を楽しむ』

『山を楽しむ』は「山でのエピソードを綴ったエッセー集ですが、
その中の「24年ぶりのエヴェレスト」は興味深かったです。

あらましは、
「…1975年当時、ネパールへの直行便はなったが、
今(1995年当時)は、関西空港から、週2回の直行便がある。

空港でのシステムもハイテク化され、
かつてと違い、カトマンズの道には牛はいないし、裸足の子供たちの姿もない。
ホテルは豪華で、ファックスが届き、電話も直通する。

人力車は自動車に変わり、そのため、排気ガスにより、
白いヒマラヤの山々が見られる日が少なくなってしまった。

当時は、マトマンズから、エヴェレストのベースキャンプまでの約370キロを、
約70キロのラムザンクまでは車で、その先は、15トンの荷を600人のポーターに
運んでもらい一月半かけて歩いた。

今(1995年)は、ルクラまで飛行機が入り、
クムジュン村かシャンボチェ村まではヘリコプターをチャーターし、
そこからベースキャンプまでは歩いて6~7日で行ける。
然し、驚くことには、チベット側からだと、ベースキャンプまで車で入れるのだ。

シェルパ族のナムチョ村もかつては素朴な村だったが、
今は電気も水道も電話もあり、ディスコやビリヤード場の看板も。

木造だった家屋は白い石造りの立派なロッジに変わり、
出窓には赤いゼラニウムが置かれていて、まるでチロルのよう…」

登山隊も、遠征隊ではなく公募隊(商業隊)とか。
この時点から10年後である現在は、どう変わったのでしょうか?

20091014
『山を楽しむ』  田部井淳子/著  岩波書店

|

« 『山からの贈り物』 | トップページ | 「女(わたし)が愛した作家 太宰治」…(2) »

* 本」カテゴリの記事

* 山」カテゴリの記事