『津島家の人びと』
先日、前から読みたいと思っていた『津島家の人びと』を借りましたが、
予想以上に面白くて、1日で読み終えました。
この本は、昭和55年9月より朝日新聞青森版に連載された
『津島家』を出版したもので、内容は、
第一章 地主貴族(津島家のルーツ)、
第二章 兄と弟(津島文治の時代)、
第三章 斜陽(津島家没落後)に別れていましたが、
第一章の津島修治(太宰治)から数えて10~12代も昔のことについては、
諸説あるようでもあり、正直、興味も湧きませんでしたが、
太宰の作品や美知子夫人の『回想の太宰治』などに登場していた人などが
(いしおばさ以降の人たち)現れた途端、熱が入ってしまったのも
仕方ないですよね。
ただ、「津島家の人たち」と言っても、想像していたものとは違っていて、
家長制度においての「人たち」とは、あくまで直系の嫡男についての意味なのか、
主に、歴代の当主について書かれてありました。
女性は当然のこと、次男以降の傍系は「人たち」ではないのか、
津島源右衛門亡き後は、大学卒業間もない若さで当主となった文治の話題
(特に政治家としての)に終始し、他の兄弟姉妹については申し訳程度…
英治、刑治、礼治や姉たちのことが知りたかった私としては残念でした。
太宰についても、兄と言うより、当主としての目線で書かれていました。
家長制度の犠牲者は、太宰たち兄弟姉妹だけでなく、
太宰より文が立ったと言われる文治さん自身も、
跡継ぎゆえに弟のような自由は無かったわけです。
~つづく~
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