「女(わたし)が愛した作家 太宰治」…(4)
水曜日の知る楽、
こだわり人物伝「女(わたし)が愛した作家 太宰治」の最終回は、
「自分に刃を向けた作家」で、語り手は 田口ランディさんでした。
これまでに、四人の女性作家が太宰治について語ったわけですが、
『秋風紀』『黄金風景』『人間失格』を取り上げた田口ランディさんが、
最も説得力がありました。
やはり一番年上だからでしょうか、とても共感しました。
太宰の小説の主人公は、彼の分身ではあっても彼自身ではないし、
エッセイ風であっても、あくまでフィクションの世界にも関わらず、
読者に彼自身と錯覚させてしまう書き方なのです。
自虐的な書き方をして弱い人間に思わせていても、
それは人間の弱さを書きたかったからで、
胸を病む身でありながら、あれだけ多くの作品を残したのですから、
実際は、強靱な精神の持ち主だったような気がします。
文化人と言われる人たちの裏(悪)の部分を攻撃せず、
あまりの悔しさに、夫人の前で泣いたことも…
刃を自分に向けていれば、心身共に追い詰められていっても当然でしょう。
「井伏さんは悪人です」…
最後に、せめて、これだけは言いたかったのかもしれません。
| 固定リンク
「* 本」カテゴリの記事
- 『早春物語』(赤川次郎・著)(2014.11.06)
- 『すらすら読める枕草子』…2(2014.10.14)
- 『すらすら読める枕草子』 (2014.10.07)
- 「花子とアン」と「アンのゆりかご」(2014.09.14)
- 「アンのゆりかご 村岡花子の生涯」(2014.04.30)
「* ドキュメンタリー」カテゴリの記事
- 不死鳥都市の100年(2015.01.06)
- 「塀の中の“自由”~アフガニスタンの女性刑務所~」(2014.03.15)
- 「中国文明の謎 第3集 始皇帝“中華”帝国への野望」(NHKスペシャル)(2012.12.04)
- 赤毛のアンの島(2012.11.25)
- NHKスペシャル「中国文明の謎 第2集 漢字誕生 王朝交代の秘密」(2012.11.13)
「* 太宰治」カテゴリの記事
- 『燈籠』(2012.11.17)
- 『葉桜と魔笛』(2012.11.15)
- BUNGO-日本文学シネマ 『黄金風景』(2010.04.19)
- 「太宰治短編小説集」(2010.03.29)
- 『回想の太宰治』の文庫本(2010.01.19)
最近のコメント