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「女(わたし)が愛した作家 太宰治」…(4)

水曜日の知る楽、
こだわり人物伝「女(わたし)が愛した作家 太宰治」の最終回は、
「自分に刃を向けた作家」で、語り手は 田口ランディさんでした。

これまでに、四人の女性作家が太宰治について語ったわけですが、
『秋風紀』『黄金風景』『人間失格』を取り上げた田口ランディさんが、
最も説得力がありました。
やはり一番年上だからでしょうか、とても共感しました。

太宰の小説の主人公は、彼の分身ではあっても彼自身ではないし、
エッセイ風であっても、あくまでフィクションの世界にも関わらず、
読者に彼自身と錯覚させてしまう書き方なのです。

自虐的な書き方をして弱い人間に思わせていても、
それは人間の弱さを書きたかったからで、
胸を病む身でありながら、あれだけ多くの作品を残したのですから、
実際は、強靱な精神の持ち主だったような気がします。

文化人と言われる人たちの裏(悪)の部分を攻撃せず、
あまりの悔しさに、夫人の前で泣いたことも…
刃を自分に向けていれば、心身共に追い詰められていっても当然でしょう。

「井伏さんは悪人です」…
最後に、せめて、これだけは言いたかったのかもしれません。

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