「女(わたし)が愛した作家 太宰治」…(3)
「女(わたし)が愛した作家 太宰治」の第3回目、
語り手の西加奈子さんが、
つっこみを入れたくなるような太宰作品の滑稽さを語ってくれました。
題して、「おもろい作家」。
作品を読んだことがないにも関わらず、毛嫌いする人もいますが、
太宰治ほどイメージ先行で誤解されやすい作家はいないような気がします。
西さんが仰ったように、今の時代に生きていたら、
お笑い芸人になっていたかどうかは分かりませんが、
ユーモラスな作品も多いですよね。
取り上げられた『皮膚と心』も、笑えると言うよりは、
新婚夫婦の微笑ましさに、思わず口角が上がってしまう感じなのです。
私は『皮膚と心』を読んだ時、「私=美知子夫人」に思えてなりませんでした。
お笑い芸人さんたちは、プライベートなエピソードに尾ヒレを付けてネタにする、
と、聞いたことがありますが、
太宰も日常生活からインスピレーションを得ていたはず…
実際に、このような出来事があったかどうかは別として、
『家庭の幸福』や『十二月八日』のモデルが美知子さんだったように、
『皮膚と心』のモデルも、太宰夫妻と思っていました。勝手に。
この「私」、今は絶滅してしまった大和撫子そのものです。
『畜犬談』は読んだことが無かったのですが、
犬は嫌いではないけれど、生まれてから一度も飼ったことがないので、
怖いと感じ苦手な私には、「そうそう、そうなのよね~」でした。
読んでみたい…いえ、すぐ読みます。
青空文庫という、強~い味方がありますから…
『富嶽百景』の井伏鱒二の放屁のくだりと後日談は、確かに可笑しいです。
中さんは創作としていましたし、私もそうだろうと思っていす。
でも、どちらの作品も、どの部分が創作か否かを知っているのは当事者だけ、
今となっては、確かめる術はないのですよね。
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