『わが心の歌』
図書館で、天満敦子さんの『わが心の歌』を見つけましたが、
この中に、「望郷のバラード」との出会いが書かれていました。
1991年の秋、音楽関係者から一本の電話が…
それは、ルーマニアで国立オーケストラとのコンチェルトの誘いでした。
ただ、ルーマニアでの宿泊費と食事代は、日本大使館が何とかしてくれるが、
往復の飛行機代はアーティスト側で、一回の演奏料は日本円で1,500円という…
常識的に考えたら、断るのが普通、
でも、ソリストは、常に弾きたいと熱望していても、なかなかチャンスに恵まれず、
ヴァイオリニスト(ピアニストもそうなのでしょうが)にとって、
コンチェルトのステージを1回やると言うことは、
リサイタルの10回分にも相当するキャリアになるそうなのです。
「私たち演奏家は弾くチャンスが欲しい!たとえ、どんなに小さな場であっても…」
そんな気持ちで快諾したルーマニアでのコンサートでした。
結果的には、関係者の尽力により、1992年の初夏、
ピアニストの深沢亮子さんを団長とした国の文化使節の随員として、
ルーマニア、ブルガリア、チェコ・スロバキア(当時の)を旅したので、
交通費の自己負担は無かったのですが…
そればかりか、「望郷のバラード」との出会いが待っていたのでした。
ルーマニアでの演奏会後に、外交官から渡された楽譜「バラーダ」は、
天満さんにとって、人生を変える一曲だったのでした。
※ 「望郷のバラード」の原題は「バラーダ(詩曲)」、
ルーマニアの作曲家チプリアン・ポルムベルグ(1853~1883)が、
獄中で(政治的な理由から捕らえられていた)故郷を偲んで作った曲。
『わが心の歌 望郷のバラード』 天満敦子/著 文藝春秋
『天使からの手紙 ヴァイオリンで紡ぐ絆』
天満敦子/著 銀の鈴社
五嶋みどりさんも「みどり教育財団」という団体と作って
チャリティー活動をされてますが、
天満さんもチャリティーをライフワークしているそうです。
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