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斜陽館

太宰治(津島修治)は、1909年6月19日に、
青森県北津軽郡金木町(現在が五所川原市)の大地主津島家の11人兄妹
(夭折した人が多い)の6男として生まれ、恵まれた環境で育ったようですが、
現実は跡取りとそれ以外とでは雲泥の差があったようで、
実際、当主と跡取り息子以外は入れない部屋もあったようです。

太宰の死後、戦後の農地解放のため財産をなくした津島家は、
大豪邸を町の旅館経営者に売却され」、
「太宰治文学記念館」と旅館「斜陽館」として生まれ変わりました。

その後、旅館業の経営が悪化したことから、
「斜陽館」は、1996年に金木町が買い取り、
町営の文学記念館として再スタートし、現在に至ってますが、
2004年には国の重要文化財に指定されています。

津島家の大豪邸は人手に渡ってしまったとはいえ、
数々の問題を起こし津島家の頭痛の種だった修治の
作家としての実績があったからこそ、生家は今も保存され、
文化財に指定されているのですから、先のことは分からないものです。

ただ、「斜陽館」の名前を聞く度に、
太宰の遺族(妻子、特に美知子夫人)の気持ちが気になっていました。
『斜陽』は、一般読者にとっては太宰の代表作の一つでしょうが、
妻にとっては、それだけではないですからね。
…私の考え過ぎでしょうか?

余談ですが、津島家一族の写真を見ると、
太宰の母も叔母も、姉達や従姉妹達も、美人揃いでした。

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