『火の山-山猿記』
『火の山ー山猿記』を読んだ切っ掛けは、
数年前にNHKで放送していた、宮崎あおいさん主演の朝ドラ『純情きらり』でした。
元々朝ドラを観る習慣は無かったのですが、
友人から「なかなか面白いから…」と勧められたからで、
それ以上に、原案が津島佑子さんと知ったからなのです。
でも、途中から見始めたものの、余りにもリアリティに欠けていたため、
正直のところ熱が入りませんでしたが、気になっていた原案は購入しました。
『火の山ー山猿記』は、津島佑子(里子)さんの母方の石原家(有森家)一族の
歴史を描いたもので、舞台は岡崎市ではなく、山梨県甲府市です。
(「火の山」は富士山のこと)
読み出した途端、(共通点はあるものの)ドラマとは全く違っていたので、
なぜ、原作でなく原案なのかを納得出来ました。
『火の山ー山猿記』は読み応え充分で、また読み難い本でもありました。
構成が複雑で、膨大な登場人物の人間関係も複雑だったので、
メモ用紙に相関図を書きながら読んでました。
片仮名文あり、古文書からの引用ありで、
読めない古文書部分は飛ばしたり斜め読みしたりしてました。
特に印象に残っているのは、学者一家の高尚な暮らしぶりや、
深い親子愛と兄妹愛、それに夥しい数の死でした。
それらは、現在なら完治できる病気によるものが多かったです。
「純情きらり」を勧めてくれた当人は、
読書しない人にありがちな、原作には全く興味がなく、
“…本では○○だったけれど…”には、完全に右の耳から左の耳でした。
と言うより、上の空で聞いていたようでした。
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