「パリ留学の夢」
モントリオールから、半年ぶりにセーラが帰って来ました。
でも、養育係のルイザ・バンクスも一緒ということで、トラブルの予感が…
セーラの夢は作家になること。
すでに、パリの「クリュニー芸術学校」から合格通知が届いていますが、
(そこは言語と文学において最高峰で、ブロンテ姉妹も教えていたという名門)
“ヘティとルイザが反対するに決まってる。”と、言い出せません。
家族が揃った(実は、ジャネットもイライザおばさんいました)夕食の席で、
ヘティが、
“セーラと二人でカナダ全土を見て回る汽車の旅で出る。”
と言えば、ルイザは、対抗するかのように、
“セーラと二人でヨーロッパ中を数ヶ月掛けて回るつもり…”
と言い出す。
「セーラはカナダ人ですよ。どこより、まず自分の国を見て回らなくては、
ヨーロッパなんかより、あなたもそう思うでしょ?」(ヘティ)
「スタンリー家の一員として、セーラは自分の先祖の生まれ育った
ヨーロッパの豊かな文化に触れなければなりません。
そうじゃありませんか、セーラ?」(ルイザ)
居たたまれなくなったセーラは、キング家を飛び出し灯台へ…
灯台近くで、偶然出会ったアーサーから、
“自分の道は、自分で決めなきゃ…
自分の思う道を行かなきゃ幸せにはなれない。
逃げたって、何にも解決しない。二人に話すべきだ。”
とアドバイスされていると、迎えに来たヘティとルイザから、
仲を誤解されてしまってまた一騒動…
セーラのお話と平行して、3人の片思いが進行しますが、
3人とも残念な結果に…
(イジー→フェリックス→衛生主任の女性→トレメイン)
「アボンリーへの道」の主役は、セーラ・スタンリーでした。
それが、いつしか脇役になり、そして、セーラの登場さえも希になり、
遂に、セーラにとっての最終回を迎えてしまいました。
セーラ役のサラ・ポリーが降板したのは、サラ自身の都合のようなのですが、
とても残念なことでした。
実は、「アボンリーへの道」の原作の『黄金の道』でも、
第33章(最終章)「去りゆく少女」で、ストーリー・ガールは、
迎えに来た、父、ブレア・スタンリー(パリ在住の絵描き、生きてます)と、
カーライル(アボンリーではなく)から、パリへ旅立っていきましたが…
~名言~
<ヘティ>
「昔は誰もが信じていたわ。
若い人の将来は、目上の者が決めるべきだってことに。
ことに縁組みはそうですよ…慎重にやらないと。
ウン、若い人達は、恋をしたら後先のことを考えないから…」
<セーラ>
「二人に、あたしのことで争って欲しくないの。
あたし、自分の将来は、自分で決めたいのよ。そうするべきだと思うし…」
「二人のどっちかを選ぶことなんて出来ない…
どうやって、二人を比べろって言うの!?
一人は産まれた時から一緒にいる人だし、一人は一人前に育ててくれた人なのよ。
…二人に色んなことを教えて貰った。この世で一番大事なことも、目指すべき道も…
でも、いつかは巣を離れて、自分の羽根で飛び立たなきゃならない時が来るのよ。
今がそうなの…毎週手紙書くから、毎日だって…二人とも愛してるの。」
「アボンリーへの道」<第6シリーズ>
第67話「パリ留学の夢」(Comings and Goings)より
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