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『空からの花束』

太田治子さんのエッセー集『空からの花束』には、
大切な人達…愛する娘の万里子ちゃんや今は亡き母の静子さん、
心の友みどりさん(司馬遼太郎夫人)…のことや、
写真でしか知らない父(太宰治)や父の著作について、
旅の思い出、大好きな絵画、愛読書のことなどが綴られていました。

太田さんは、きっと真面目で正直な性格の女性なのでしょうね。
文章に表れていました。
でも、「こんなこと書いて大丈夫?」ということもあるのです。

というのは、治子さんの1歳年上の「夫」についてなのですが…
万里子ちゃんについても、大きくなって読んだ時に恨まれないか心配ですが、
夫についての文章については、あまりに正直過ぎて気になりました…

たとえば、会社から帰宅するなり、
「ブタ小屋だ!」と眼をむいて怒ったり、
「おい、ばばあ、へやの中が汚いぞ」と言ったりすることや、
料理に手抜きがあるからと「でていけ」と言われたりすることも書かれていました。

多分、古いタイプの男性なのでしょうね。
でも文面通りとしたら、家で子育てしなから執筆の仕事をしている妻に対して、
思い遣りに欠ける言葉だと思いますが…。
許せるだけの間柄ならいいのですが、書き方に恨みが込められていた感じでした。

とは言っても、活字にしてしまうのはどうなんでしょう?
夫自身は当然のこと、夫の身内や職場の人達が見ないとも限らないし…

書きたい気持ちは分かりますが、関係がこじれるだけなのでは…?
(ちなみに2004年に離婚されたそうです。)

20090823
『空からの花束』 太田治子/著 中央公論社

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