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蚊帳(かや)

野菜や果物に季節感が感じられなくなった時代、
蚊も、ほぼ一年中活動しています。

暮らしに季節感があったはるか昔、
蚊は夏だけの時代には、蚊帳は夏の風物詩でした。

毎年のことでなのに、その夏初めて蚊帳を吊ってもらった晩は、
いつもとは違う、幻想的な薄暗い空間が物珍しく、
ワクワクしながら、早々寝たものでした。

そんな感動も、一夜限りでしたが…

せっかく蚊帳の中で安心しきって眠っていても、
いつ侵入してきたのか、耳元でブ~ンと羽音をさせる闖入者に、
大騒ぎしたこともありました。

あの羽音、刺されて痒い以上に安眠妨害なのです。
血もほんの少々ならどうぞ…
猛烈に痒いのも、どうにか我慢します。
だけど、どうか耳元で羽音だけは立てないで…この思いは今も同じ…

小学生の頃、多分、夏休みの間だけだったのでしょうが、
いつも、私が蚊帳を畳んでいました。

八帖用の重い蚊帳を、たった一人で畳むのは、骨の折れる作業でした。
それも二張り分…
でも、決して親から言われたからではなく、好きだったのです。

萌葱色の蚊帳の上部には赤い布があって、
裾の角にも、畳む時の目印用に、小さい赤い布が付いていました。
丸い金具の釣具が触れ合うと、チリンと澄んだ色が…

化繊の蚊帳のなかった頃の、懐かしい思い出です。

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