太宰治…(2)
私の思い込みなのでしょうが、
太宰治の作品は、一般的に「若者向け(?)」のように感じていましたが、
実際はそうではないようです。私にとっては…
前にも書きましたが、若い頃はイメージ先行のために、
今思えば、色眼鏡で判断してしまっていたきらいがあります。
たとえ私小説だとしても、あくまでフィクションということを忘れがちで、
大庭葉蔵にしても、津島修治その人に思えたりもしました。
2ヶ月前に「歴史秘話ヒストリア」という番組で取り上げられていた
『お伽草紙』が切っ掛けで、最近、本棚から引っ張り出したり、
青空文庫からダウンロードしたりして、40年(以上)ぶりに読んでいますが、
とにかく語彙が豊富で、文体や表現も変幻自在ですし、
読点の打ち方も今風で驚かされます。
『舌切雀』に「…既に世間的価値がゼロに近いのに…」
という表現がありましたが、
これ、よく耳にする、「存在価値がゼロに等しい」に似ていると思いました。
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