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「ちひろの昭和」

図書館で、「パンプルムース!」と一緒に「ちひろの昭和」も借りました。

昔から、いわさきちひろさんのファンだったので、
絵本だけでなく、ちひろさんについて書かれた本も沢山持っていますが、
この本は知りませんでした。

それもそのはず、2009年4月に発行された本でした。
図書館で見掛ければ借りたくなり、書店で見掛ければ買いたくなるような本…

描かれている世界は、私の卒園アルバムそのものです。
昭和30年代初頭の日本、町は、元気いっぱい遊ぶ子供達であふれていました。

男の子は、坊ちゃん刈りか丸刈り、女の子は、おかっぱ頭かお下げ髪、
タンクトップ、Tシャツ、トレーナーなどは無く、
ブランド品も無かったけれど、今より可愛いらしい服装をしていました。

女の子の定番は、ショールカラー、パフスリーブの白い綿のブラウス…
襟や胸元には、フリルやレース、ピンタック、刺繍が施されてました。

夏は綿のギャザースカート、冬はウールのプリーツスカートの他に、
プリーツのジャンパースカートもありました。

真夏の普段着は、大抵は、襟無しノースリーブのワンピースでしたが、
お出かけする時は、襟も袖もあるお洒落なワンピースに…
(綿レースのフリル付きの、薄手綿ローンのスリップ(手作り)を着せられました。)
子どもにも、TPOをきちんとさせていたのですね。

すぐ着られなくなるのに、手の込んだ洋服を手作りしてくれた母親たち…
(もちろん既製品はありました。)
秋冬には、みんな、機械編みのセーターやカーディガンを着てましたが、
小さくなると、解いて湯通しし、違う毛糸を足して、縞模様に編み直したり、
ベストなどにしたものでした。

男の子も、真夏の普段着はランニングシャツなのに、
出掛ける時は、ソックスを履き、糊の効いたカッターシャツに着替えてました。

ポリエステルのフリースやジャージは有るはずもなく、
レトルト食品もカップ麺も無かった時代…
衣食住の全てが、今よりエレガントでした。

いつの間にか年を取ってしまいました…
友達から、ちひろさんの訃報を聞かされてから35年の時が過ぎ去り、
私は、ちひろさんの歳を越えてしまいました。

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『ちひろの昭和』
竹迫祐子・ちひろ美術館/編著(河出書房新社)

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