『回想の太宰治』
前々から読みたいと思っていた『回想の太宰治』を、
図書館から借りてきて読んでいます。
まだ読み始めたばかりですが、エピソードの多くが知っていたことばかりなのです。
それは太宰自身や津島佑子さんの作品、またその他で読んでいたからですが…
津島美知子さん(1912-1997)の素人とは思えない文に、
さすが学者の家に生まれ育ち、高等教育を受け教壇にも立った才媛は違うな、
と感心しました。
それに、作家と結婚し、夫の口述筆記を務めていた人ですからね。
読めば読むほど、美知子さんという人が、教養があって真面目で、
でも、考え方に関しては、とても常識的な女性ということが分かります。
太宰との生活には、さぞかし、驚きや戸惑いがあったことでしょうね。
微笑ましいエピソードを…
“…その年のくれ、私はそのススキの穂を束ねて煤払いをしようと思いつき、
天井を一撫でしたら綿のような毛のものが部屋中散乱し失敗に終り、
太宰は見ていて、お前は詩人だ、などと批評した。”(三鷹より)
新婚当時のお二人の様子が、目に浮かびました。
私も一生に一度でいいから、“お前は詩人だ”と言われてみたいものです。
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