「サナトリウム」
風邪と思われていたセシリーが、夜、喀血してしまった。
診断は肺病…
モンゴメリの子守りを頼んだオリビアも、
同じ病気で妹のルースを亡くしたヘティも気が動転してしまう…
しかし、モンゴメリに無事と分かり、
二人は家畜の世話や料理を運んで、外からサポートすることに。
フェリックスはホテルを休職させられ、
雑貨店でフェリシティはレイチェルに非難され、搾った牛の乳の引き取り手は無い。
ミュリエルと図書館に行ったフェリシティは、新しい治療法の論文を知る。
著者のジョーンズ博士を訪ねると、意外にも女医だった…
ジョーンズ博士との出会いにより、フェリシティは女医への道を選ぶ。
自責の念に駆られたジャネットは、看病を人に任せようとしないばかりか、
フェリシティの助言にも耳を貸そうとしない。
そんなジャネットを、イライザおばさんやアレックが厳しく諭す。
みんなの願いとは裏腹に、セシリーの症状は悪化するばかり…
サナトリウムへ入れることを、頑なに拒んでいたジャネットも、
遂に決心する時が訪れました。
母に付き添われたセシリーは、
家族に見送られ、ニューイングランドへ旅立ったのでした。
いつも辛辣なイライザおばさんですが、さすがは年の功、
今回ほど、頼もしく感じたことはありませんでした。
イライザおばさんがセシリーに読んでやったのは、『マザー・グース』の一編で、
「月曜日の子は器量良く、火曜日の子は徳高く、水曜日の子は罪深く、
木曜日の子は幸多し」ですが、
“Thursday's child has for to go.”(木曜日の子供は前途洋々)は、
「遠くへ行く」の意味もあるそうです。
普段おとなしくて目立たないセシリーが、初めてのメインというのに、
あまりに辛く悲しいお話でした。
しかも、二度と同じセシリーには会えないのですから。
原作の(一つ)『ストーリー・ガール』シリーズのセシリも、優しい少女ですが、
未来の死を暗示させる書き方でしたから、
セシリーの身が心配になったことを思い出します。
~名言集~
<フェリシティ>
「ずっと、同じ部屋で寝ていたけど、あたしは別に何ともありません。
…どうして、あんなに怒られなきゃならないの?
セシリーだって、好き好んで病気になったんじゃないのに。」
「結核には、新鮮な空気が一番なの。科学で証明されてるわ。
窓が開いてた方が、呼吸はずっと楽なはずなんだから。
それに、寝かせっぱなしじゃ駄目なのよ。
外に出て、もっと陽の光に当たらなくちゃ。」
「あの子は怖がってないわ。怖がってるのは、お母さんの方でしょ?
しっかり現実を見なきゃ駄目なの!」
<イライザおばさん>
「年寄りだからって、言いたいんでしょうね。だからこそよ。
のほほんと生きて来た訳じゃ無いわ。荒波を乗り越えて来たの。
病気が移ることなんて、恐くありません。
移ったって、あたしは充分長生きしたわ。」
「アボンリーへの道」<第5シリーズ>
第61話「サナトリウム」(Thursday's Child)より
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