「坊がつる賛歌」
人みな花に酔うときも 残雪恋し山に入り
涙を流す山男 雪解(ゆきげ)の水に春を知る
ミヤマキリシマ咲き誇り 山紅に大船(だいせん)の
峰を仰ぎて山男 花の情を知る者ぞ
毎年この時期になると、この歌を思い出します。
「坊がつる賛歌」は、芹洋子さんが歌われたことで有名になりましたが、
私が知ったのは、それよりずっと前のことでした。
場所は、40年前の北八ツ「高見石小屋」、
歌ってくれたのは、常連の山男の“○杉”さん…
覚えていた筈なのに、今は思い出せない…“杉”が付いていたのは確かです。
当時50代中頃で、山男然としていない朴訥で飄々とした感じのおじさんでした。
…今の私より若かったのですね…
ランプだけの仄暗い灯りの下で、アカペラで歌ってくれたその歌の、
シンプルなメロディーに合ったロマンチックな詩…
私は、たちまち魅了させられました。
当時は、山男でも一部の人しか知らなかった「坊がつる賛歌」、
私は2番までしか知りませんでしたが、
改めてを調べてみると、9番まであるのですね。
芹洋子さんは、とても上手な歌い手さんです。
それでも、歌が有名になったのが、むしろ残念にも思えるのは何故でしょう。
歌を歌ってくれたおじさんは、もう90代半ばのはず…お元気でしょうか?
今でも、何処かの山を歩いているお姿を想像している私です。
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コメント
「いつかある日」、懐かしいですね。「シャローム」や「今日の日はさようなら」なども思い出しました。何でも営利目的に利用されて嘆かわしい限りです。駅弁も、旅の途中で味わってこそ意味があるのにね。デパートの催事場で買うのではなく…たとえが間違っていたかしら?
投稿: Michi | 2009年4月 6日 (月) 00:05
同感です。知る人ぞ知る歌であってもらいたかったですね。媒体を通じて坊がつる賛歌は聞きたくないですね。僕が先輩から習ったのは、花は、ピンクの大船の~でした。これとロジェデュプラの「いつかある日」なんかは、伝承していく歌でした。テレビから流れて価値が下がったような気がしました。でも、この歌を口ずさむとあの頃の寡黙な先輩や、山でトマトをくれたおばさんやいろんな人のことを懐かしく思い出します。
投稿: katarohina | 2009年4月 5日 (日) 20:26