『ターシャ・テューダーの人生』
アンティークドレスは素敵です。
アンティーク家具も素敵です。
緑に囲まれた、田舎でのスローライフにも憧れます。
でも、アンティークドレスでの家事は大変そうですし、お手入れも面倒そう…
それに、便利さを知ってしまった現代人に、
電気もガスも水道も無い暮らしは、続けられるものなのでしょうか?
憧れだけでは無理でしょう。余程の覚悟と執着心がない限りは…
自らの意思とは言え、ターシャさんも、ニューハンプシャーに電気が通った時に、
真っ先に買ったのが洗濯機なんだそうですから。
田舎暮らしを望んで無かったターシャさんの夫にしても、
妻のライフスタイルに付き合わされて、さぞかし忍耐を要した事でしょう。
田舎暮らしに喜びを見出せず、妻の元を去ったとしても仕方の無い結果なのでは?
そう思っていました。今までは…
ところが、
長年、ターシャ・テューダーの研究をしてきたハリー・デイヴィスの著書、
『ターシャ・テューダーの人生』を読んだことで、
知らなくても良かったプライベート部分を、知ることに…
ご両親については、少しばかり知識がありましたが、
1938年に結婚された最初の夫の事については、全く知りませんでした。
意外なことに、結婚は恋愛によるものでは無く、
“他に求婚してくれる男性はいないだろう”と思ったから!…
田舎暮らしを望んで居なかった夫が、妻のライフスタイルを容認していたのは、
妻を養い手とみなしていて、それが収入に繋がっていたからに過ぎなかったから…
二人には、共通の趣味も無かったそうなのです。
結局1961年に、お二人の結婚生活には終止符が打たれたのでしたが、
後年、ターシャさん自身、“人生最良の決断だった。”と断言されていたそうです。
(もっと意外だったのは、再婚されていたこと…)
長くて短い人生、色々あったのでしょうね。
(右)『ターシャ・テューダーの人生』(The Art of Tasha Tudor)
ハリー・デイヴィス/著 相原真理子/訳 文藝春秋
(左)『ターシャのスケッチブック』(Tasha's Sketchbooks)
ターシャ・テューダー リチャード・W・ブラウン/写真
食野雅子/訳 メディアファクトリー
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