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『小径の向こうの家』

『ターシャ・テューダーの人生』は中途放棄となってしまいました。
他の本より客観的だったのかも知れませんが、忍耐力が足りませんでした。

ターシャの長女ベサニー・テューダーが書いた『小径の向こうの家』は、
私が是非とも欲しいと思っていた本なのですが、
敬愛して止まない母への想いが、本全体に溢れていました。
(食野雅子(めしのまさこ)さんの訳にも愛を感じました。)

原題は、「DRAWNN FROM NEW ENGLAND」と言って、
ターシャ自身の写真は勿論のこと、彼女を巡る人々の写真や、
ターシャが手がけた作品を交えながら、
生い立ちから、現在(1979年に刊行)に至るまでが、娘の目で綴られていました。
(翻訳本は10年前の今日1999年2月20日初版)

さすがに赤ちゃんの時のターシャは丸々として、
屈託のない笑顔を見せてくれましたが、
少女時代以降の彼女はスレンダーで、アゴを引き傾げた表情は控え目でも、
その眼差しからは、意志の強さが感じられるのです。

写真こそありませんでしたが、
父(ターシャの夫トム・マクレディ)のことも、少しだけ書かれていて、
『ターシャ・テューダーの人生』とは違うイメージに、ホッとしたりもしました。
やはり親子は、永遠に親子なのでしょうね。

あんなに華奢で、たおやかな感じのターシャ・テューダーなのに、
実は、強靱な精神と肉体の持ち主だった訳ですね。

よく激しい人生を送った人の事を、“人の何倍も生きた”などと言いますが、
彼女は私の100倍も、いえ、比較出来ない程の人生を送られたのですよね。

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『小径の向こうの家』~母ターシャ・テューダーの生き方~
(DRAWNN FROM NEW ENGLAND by Bethany Tudor)
ベサニー・テューダー/著 食野雅子/訳 メディアファクトリー

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