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「ジャネットの反乱」

ふとした切っ掛けで、平凡な専業主婦が女権に目覚めるお話です。
その勇気ある女性の名は、アレックの妻のジャネット・キング…

フェリシティは女権論者のことを、
「結婚出来なかったから、そんなことしてるだけじゃないの?」と言い、
フェリックスに至っては、「疫病神さ!」…

職業婦人のヘティでさえ、
「あなたは、もう、ウォード家の人間ではなく、キング家の嫁なんですから、
行いは、充分謹んで頂戴ね。
…私は、自分の本分を、わきまえてますからね。
フンッ!政治に口を出したりするつもりはありません!」
「忙しくしていれば、クヨクヨ考え事しなくて済むでしょ?
『怠け者には、悪魔が宿る』って言うでしょ!」と言う時代…

セーラだけは、ジャネットの強い味方でした。
「だけど、投票する権利がなかったら、世の中を良くして行けないじゃない。」

町中の人から非難されても、留置所に入れられても、アレックとの仲がこじれても、
信念を貫き、婦人参政権の署名活動をやり遂げたジャネットは本当に立派です。

ジャネットに代わって、家事を任されていたフェリシティも、
「お母さんのようには出来なかった。お母さんの気持ちが分かった気がする。」
…その立場になってこそ、知ることも多いのです。

女権論者の作家アメリア・サンド・ハーストと、野次馬との掛け合いが面白い。
アメリア 「女性達が苛立ち、声高に叫ぶのは、選挙の度に沈黙を強いられて来た
            からなのです。支配するのは常に男で、女は従うだけでした。」
野次     「あんた、うちのを知らんな。」
アメリア 「投票権があれば、女性も社会に対し力が持てます。
             世の中を変えて行く力を持てます。政治家は全員男です。
             そして、女性の未来まで、勝手に決めてしまうのです。
             票があれば、私達も意見を反映させる事が出来る。
             未来を自分で決められます。私達の子供の未来もです。」
野次     「女が出歩いたら、誰が飯を作る!?」
アメリア 「女は、医者や弁護士にもなれるのに、男は卵も茹でられない?」

(ところで、ピーターは、ずっとローズ・コテージで働いていたみたいですね。
ピーターだけでなく、ジェイクという男性も働いているようですよ。)

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<第3シリーズ>
第31話「ジャネットの反乱」(Aunt Janet Rebels)より

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