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2009年2月

「世界ふしぎ発見!」…オーストラリア

「世界ふしぎ発見」の終わり10分位を、偶然見ました。

シドニーから数時間のカウラという町に、見事な日本庭園があります。

太平洋戦争中、カウラには日本人捕虜収容所があって、
捕虜達は強制労働を科せられる事も無く、相撲、野球や囲碁などで時間を過ごし、
食事も日本人の為に、わざわざ魚を取り寄せてくれて、
待遇は極めて良かったそうです。
(何処かの国とは、あまりの違い!)

当時の日本国民は、
「捕虜になって生き恥をさらすな」という考えに洗脳させられていて、
祖国に戻り、家族もろとも国賊と言われ蔑まれるより、
異国での死を選んだ捕虜達だったのです。

立派な日本庭園は、異国の地に眠る日本兵の魂を慰める為のもので、
墓地は、オーストラリア政府の特別な計らいで、
「日本の領土」となっているとのこと…涙が出そうになりました。

この事を、日本政府が知らないはずは無いのに、
知っている国民が、どれ程いるのでしょうか…?

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『ターシャ・テューダーの世界』

『ターシャ・テューダーの世界』も図書館で借りました。
も内容は、これまでの本と重複していたので、サッと目を通しただけですが、
写真も見覚えのあるものが多いのですが、拡大鏡片手に、じっくり見ました。

『ターシャの家』ではベッドルームの紹介がありませんでしたが、
この本には、天蓋付き用のベッドの一部が写っていました。

肝心の天蓋は見えませんでしたが、『小径の向こうの家』に載っていたのと同じ、
アンティークのベッドだと思われます。

ベッドルームには、金の置き時計や懐中時計、
お約束の陶器の水差しと洗面器のセット、
チューリップが植えられた陶器の植木鉢がありましたが、
中国の陶器なのでしょうが、有田焼きの山水染付にも似ています。

気になったのは、ベッドルームの棚に置かれた陶器のティーセットや、
やキッチンの棚に無造作に積み重ねられた陶器類です。

埃やなどは、使うたびに洗えば済みますが、落とさないかと心配…
地震大国に暮らす私の老婆心ですね。

日本人のお年寄り(戦争体験者)も、物を大切にしますが、
きっとターシャさんも、お気に入りを長く大切に着ていたのでしょうね。

ワンピースの裾と袖口がすじ切れしていたり、袖の外側は色褪せがありました。
スカート部分には、かぎ裂きが繕ってあったり…

昔「ターシャ展」で展示されていた、赤いタックスカート(ソフトプリーツ)を
履いている写真もありましたね。

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『ターシャ・テューダーの世界』~ニューイングランドの四季~
(原題 The Private World of Tasha Tudor)
ターシャ・テューダー/著 リチャード・W・ブラウン/写真
相原真理子/訳 文藝春秋

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「吸血鬼の恐怖」

徹夜で、吸血コウモリの研究に没頭するジャスバーに、
所在無く、一人寂しくピアノを弾くオリビア…
(曲はムーンライト・ソナタ(ベートーヴェン))

通販で手に入れた、オカルトグッズと本に影響されたフェリックスは、
首に付いた二つの傷から、ジャスパーがバンパイヤでは?と疑い出す…
(ジャスパーの首の傷は、固く糊付けされたカラーが原因。)

ジャスパーのコウモリの研究を評価し、論文を専門誌に載せる目的で、
女性科学者のシドニー・カーバー(ケイト・ネリガン)がデール家にやって来る。

科学者同士、意気投合し会話が弾むジャスパーとシドニーに、
夫を信じながらも、疎外感を味わうオリビア…

ファリックスに感化され、セーラまでも、
ジャスパーとシドニーのがバンパイヤと思い込み、
フェリックスと、ジャスパーの研究所に忍び込む…

倒れてきた剥製のコウモリで、傷を負ったフェリックスは、
自分も吸血鬼になるのではないかと、恐怖に駆られる…

深夜、コウモリの写真を撮るため洞窟に出掛けるシドニーとジャスパー、
セーラとフェリックスも、バンパイヤを退治するためベッドを抜け出し、
十字架、聖書、タマネギ(ニンニクの代わり)を持って洞窟へ行く…

洞窟でシドニーから、“運命の人”と求愛されたジャスパーですが、
「妻を愛してる!」と、きっぱり拒絶…それを耳にし安堵するオリビア…

洞窟で足を踏み外し穴に転落しオリビアに助けられたフェリックスとセーラは、
家に戻ってから、ヘティとジャネットから大目玉を受ける羽目に…
(キング家の子供達って、夜中に窓から抜け出す常習犯ですね。)

<ジャスパーの名言>
「どうして男は、昔からこんなものするんだろう?
カラーなんか、脳への血の巡りが悪くなるのに…」

<ヘティの名言>
「フンッ! 馬鹿おっしゃい! 創世記の五日目に創られたんですよ。
聖書を読めば分かります!」
「…ダーウィン? フゥ~、あんな、無神論者!
ええ、自分の先祖を猿だと思いたいのなら、どうぞ、ご勝手に!
だけど、キング家の者は違いますからね。ウン!」

<ジャネットの名言>
「罰として外出禁止よ。大人になるまで出しませんからね!」

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<第3シリーズ>
第36話「吸血鬼の恐怖」(After the Honeymoon)より

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「かくしごと」

キング家の家宝で、ヘティ達の“ひいお祖母様”の飾り櫛を贈られたジャネットは、
余りの趣味の悪さに唖然とする…

櫛を使おうとしないジェネットに、ヘティとオリビアだけでなく、
夫のアレックまで不満を漏らす…

フェリシティは、ジャネットから駄目と言われているにも拘わらず、
「アボンリー青少年生活向上委員会」の集まりに櫛を差し、
フェリックスとの取っ組み合い(?)で無くしてしまった…

ジャネットは、ヘティたちの怒りに観念し、櫛を使おうとするが見つからない。
仕方なく、へそくりを使って、宝石店で似たようなデザインの櫛を作ってもらう…

いくら探しても見つからない櫛に、フェリシティ達はペグを訪ねるが、
「櫛は夜中に、ニャーって、ドアの外で鳴いてくれないからね。」と言われ,
<最後の審判>の前の懺悔を勧められる。

母に打ち明けられないフェリシティは、新しく来た牧師の言った、
<最後の審判>に怯える…

夜、灯台に集まり、<最後の審判>(実は月食)が下る前に、
懺悔し合うキング家子供達でしたが、櫛を隠した犯人はディガーだった…

<ペグの名言>
「この世の終わりってのは、突然来なけりゃ、まったく意味がないんだよ。」

<セーラの名言>
「最後の審判というのは、お砂糖を天秤の秤に掛けるようなものなのよ。
つまりね、お砂糖を良い行いだとするなら、重りが罪なの。」

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<第3シリーズ>
第35話「かくしごと」(Vows of Silence)より

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「吹雪のち晴れ」

フェリックスを含めた男性陣は、穴釣りに出掛け、
ヘティとオリビア、ジャネットとアビゲールの二組の姉妹はオークションへ…
セーラ、フェリシティ、セシリーは、ダニエルとアビゲールの息子ラッキー(ロバート)
の“お守り”兼“お留守番”係…

男達の会話の中で、意外な事実が明かされます。
アレックとジャネットが結婚した時、ジャネットは15歳だった…
ジャネットの父親に気に入られていたのは、ジャスパーだった…
(アレックとジャスパーは同年代だったわけ。)

悪仲間に入っていたアレックは、ヘティのブルマーを学校の旗竿に揚げたり、
アビゲールの机に蜂の巣を隠したり、ジャスパーを教会の地下室に閉じこめたり…
アレックの悪童ぶりは、フェリックスの比ではなかった…
穴釣りの小屋で少年に返ったアレックは、
「北極泳ぎ」をして、危ういところをジャスパーに助けられる始末…

フェリックスの疑問、
「どこが知りたいか、分かんなくて…でも知りたいことがあるってことは分かってんだ。
だから、そこんとこが知りたいんだよ。」に、ガスもアレックも、しどろもどろ…

「疑問というのは、解明していくべきものだから、どんどん質問していいんだよ。
ある意味では、科学的だな。そうだ、根本は人間の基本的で強い感情だ。
…目的が純粋なら、知識は害にはならないんだ。」
と答えたのはジャスパーだった。

ガスの疑問にも自分の経験を語るジャスパー…
「でも、あの子(フェリシティ)は誰かに似てるなあ~? ヘティだ!」…確かに!

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一方、母親の形見の陶器から育児法、お互いの性格についてまで、
陰険な口喧嘩を繰り返すジャネットとアビゲールに、ヘティは堪忍袋の緒が切れる。

「いい加減、見え透いた仲よしごっこは止めたらどう?
本当に言いたいことを言って、したいことを、したらいいのよ!」

留守番の女の子達は、戻ってくる大人達のための夕食作りに大忙し…
邪魔ばかりするラッキーに腹を立て、セーラの案で外に縛り付けるフェリシティ。
そのラッキーがいなくなってしまったから大変…!

今回も、前回同様、キング家の名犬(?)ディガーが活躍しました。

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<ジャネットの名言>
「あんたは一家の長なんかじゃないわよ。
そう思わせて、ハイハイ言っとけば面倒がないから、みんな逆らわないだけ。
分かってる!?」(ヘティに)
「ずうっと付いて回るなんて甘ったれな子にするだけよ。
母親失格ね。」(アビゲールに)

<ヘティの名言>
「愛情というのはね、相手の好きな生き方を認めてやることなのよ。
従わせるのではなくてね。」(新婚の妹オリビアに)
「ヘティがそんなこと言っても、まったく説得力ないわ。」(オリビア)

<第3シリーズ>
第34話「吹雪のち晴れ」(Friends and Relations)より

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「菜の花畑の笑顔と銃弾」

ずっと気になるドキュメンタリー番組は見てきましたが、
最近は、記事にしないようにいていました。

でも、昨夜録画したNHKスペシャル『菜の花畑の笑顔と銃弾』を見て、
昨年8月に覚えた憤りが蘇り、無視出来ませんでした。

自らの農業知識を生かすべく、NGOの一員としてアフガニスタンの救援活動に
参加した、政治にも宗教にも無関係の伊東和也さんが、
金品目的とは言え、なぜ殺害されなけれならなかったのでしょう。

伊東和也さんが殺害された原因の一つには(犯人)貧しさがあり、
アフガニスタンが貧しい原因の一つに戦争がある…

貧しさゆえ、好むと好まざるに拘わらず戦争に巻き込まれる国民。
武器を手にし戦争に加担する事によって糧を与えられる悲しさ…

現地の人々と協力し(賃金を払ってですが)、
日本からの寄付金で、何年も掛け不毛の地に用水路を建設し、井戸を掘り、
試行錯誤の後に、サツマイモなどの栽培に成功させた日本のNGOの皆さん…
アメリカ軍の後方支援として参戦した自衛隊という名の日本の軍隊…
(用水路の建設は、今も続けられています。)

オバマ大統領はイラクから駐留米軍撤退を明言した一方で、
アフガニスタンへの兵力増強を…
“バラク・オバマよ、おまえもか!”

20090224a 優しい微笑みを浮かべる伊東和也さん…
20090224b 少年の瞳に映った伊東和也さん…
20090224c 伊東さん達によって砂漠が菜の花畑に…

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『ターシャ・テューダーのドールハウス』

“「ドールハウス」は女の子の永遠の憧れ、元女の子にとっても…”
とまでは思いませんが、ドールハウスに限らず、
ミニチュアに惹かれる女性は多いと思います。

たとえば雛人形のお道具類や豆本とか、
子供の頃に集めた「おまけ付きグリコ」の家財道具とか…
男の子だったら、プラモデルやミニカーでしょうか…

私も「ドールハウス」を欲しいと思った事こそありませんが、
もし近くに、アンティーク・ドールハウスの博物館なり展覧会があれば、
是非見てみたいですね。

雛人形と言えば、私の実家には「御殿飾り」がありましたが、
あれはまさに、純和風ドールハウスでしょうね。
江戸時代にも、職人さんが作った精密なミニチュアのお店がありましたよね。

肝心のターシャさんのドールハウスですが、さすがに見事ですね。
前面がオープンタイプながら、細部に至るまでコーギコテージが再現されていて、
温室やヤギ小屋まであるのですから…また道具類の多さにも驚かされました。

この本を見るまで、単細胞の私は全てターシャさんの手作りかと思っていましたが、
多くのプロの職人さんの手によって、作り上げられたものだったのです。

人形やドレス類はターシャさんの作ですが、小物の中には買った物もあり、
息子セスさんの妻マージョリーさん製作の、見事な椅子もありました。

ところで「ドールハウス」に詳しくない私は、
昔何かで、“ドールハウスには人形は置かない”と聞いたことがあって、
そういうものかと思っていましたが、これは日本独特らしいですね。

“ドールハウスの住人は自分”という日本人的考え方の方が、
ロマンティックで、より空想の余地が大きいような気がします。

自分の分身である人形を置いて、洋服や小物を手作りしたい気持ちは私も同じ、
でも、もし私がドールハウスを持ったなら、敢えて人形は置かないでしょう。

ターシャさんのドールハウスの主は、サディアス・クレーン大佐です。
それまでの女性の顔にヒゲを付けただけの顔に、不満を抱いていた彼女は、
大佐を男らしく仕上げました。

サディアス大佐の妻で、ターシャの分身エマは、実は二人目の妻なんです。
最初の妻の名は、メリッサ・シェイクスピアと言い、
盛大にお披露目もされたけれど、エマが現れた途端、
サディアスの情熱はエマに向けられてしまったのだとか…
サディアスとメリッサは円満に別れ、以後エマが大佐の妻となりました。

勿論、移り気はサディアス大佐ではなく、ターシャさんなのですけどね…
でも仕方ないですよ。
メリッサは、叔母イーヂア・パーシェスの人形を譲り受けたものですが、
エマは内蔵まである、ターシャさんご自慢の作品ですからね。

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『ターシャ・テューダーのドールハウス』~ミニチュアの世界~
(原題 Tasha Tudor's Dollhouse A Lifetime in Miniature)
ハリー・デイヴィス/著 ジョイ・ポール/写真 相原真理子/訳 文藝春秋

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『ターシャの家』

きのう図書館から、ターシャさんの本を3冊借りてきました。
『ターシャの家』『ターシャ・テューダーの世界』『ターシャ・テューダーのドールハウス』
です。(『ターシャの家』は、「言葉シリーズ」同様、日本のオリジナルです。)

バーモントに建つコーギコテージは、
56歳の時『コーギビルの村まつり』の印税で、念願だったバーモントの土地を購入し、
家具職人(それ以前は教師)の長男セスさんが、
ターシャさんの友人の古い農家をモデルに、2年かけて、たった一人で建てた、
新しくて古い、ターシャさんの理想の家なのです。

とても人家とは思えない、外観も内部も、まるでミュージアムのよう…
と言うのも、アンティーク家具や道具類のせいなのですが、
日本人の家のように、磨かれていないからでもあるのですね。
床にしても、家具にしても、調理器具にしても…

それに、バンドリーの戸棚に置かれたビニール袋入りの砂糖(又は粉類?)は、
口が開いたままなんです…
これは、ターシャさんがアメリカ人だからなのでしょうか…?
それとも、こだわらない性格だからなの…?

それは兎も角、やりたい事と、やらなければならない事の多過ぎたターシャさん
なのですから、そんな時間は無かったのでしょうね。

リビングやキッチン、アトリエ、納屋、ガーデンの他に、
ドレスや小物などの写真はありましたが、ベッドルームとバスルームは無かった…
プライベート部分ですからね。

ターシャさんだって現代人、何もかもアンティークであるはずもなく、
冷蔵庫も、電気コンロも、電気スタンドもあるし、蛇口をひねればお湯が出る暮らし。
意外にも、キッチンの棚には、プラスティックの密閉容器がありました。

ところで、ターシャさんの冷蔵庫の扉には、
何枚もの詩の写しや切り抜きが貼られてありました。
その中の一部分です。

年齢による分別を快く受け入れよう。
若さにしがみつくことなく、しなやかに手放そう。

突然の不幸に立ち向かえるよう、精神をきたえよ。
しかし、暗い想像で、打ちしずんではいけない。
不安の多くは、疲れと孤独から生まれる。
自分を律するのはいいが、それ以上に、自分に優しくせよ。

~マックス・アーマン「デシデラータ」から抜粋~
↓の部分に、アンダーラインが…
Take kindly the counsel of the years, gracefully surrendering the things of youth.

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『ターシャの家』(Tasha's Delightful House)
ターシャ・テューダー/著 リチャード・W・ブラウン/写真 食野雅子/訳
メディアファクトリー

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「まるでミステリー」

闇夜、突然灯台に逃げ込み、「悪者に追われている、匿って…」と懇願する…
その直後に現れた黒衣の男に殴られ気を失うガス…
そして、謎の美女から宝石を預かったガスでしたが…

ヘティの推薦で、ホワイト・サンド・ホテルで働くことになったガスは、
二人と再会します。
実はこの二人、ラザフォードとアマンダという宝石泥棒の仲間で、
盗品をめぐって仲間割れしていたのでした。

自らの美貌を武器に、若い男性を誘惑し利用してきたアマンダの甘い罠に、
まんまと引っかかってしまったガスでしたが、
フェリシティ達の友情で目を覚まし、悪者に仕返しが出来ました。

「…許せない。あんな風にガスを利用するなんて!」と憤慨し、
骨抜きにされたガスを心配し、気をもみ嫉妬するフェリシティ…
このエピソードで、初めてガスを意識していたような気がします。

ところで、ロバート・ラザフォードに扮していたのは、
スーパーマン役で有名な、クリストファー・リーヴ(1952-2004)です。
彼は1995年に乗馬競技で転落し、脊髄損傷で首から下が麻痺となりながらも、
同じ苦しみを持つ人達のために生涯を捧げました。
(ちなみに、「まるでミステリー」は1992年の放送。)

フェリシティとガスに関しては、
カテゴリーFelicity & Gusの「まるでミステリー」で書きました。

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<第3シリーズ>
第33話「まるでミステリー」(A Dark and Stormy Night)より

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『小径の向こうの家』

『ターシャ・テューダーの人生』は中途放棄となってしまいました。
他の本より客観的だったのかも知れませんが、忍耐力が足りませんでした。

ターシャの長女ベサニー・テューダーが書いた『小径の向こうの家』は、
私が是非とも欲しいと思っていた本なのですが、
敬愛して止まない母への想いが、本全体に溢れていました。
(食野雅子(めしのまさこ)さんの訳にも愛を感じました。)

原題は、「DRAWNN FROM NEW ENGLAND」と言って、
ターシャ自身の写真は勿論のこと、彼女を巡る人々の写真や、
ターシャが手がけた作品を交えながら、
生い立ちから、現在(1979年に刊行)に至るまでが、娘の目で綴られていました。
(翻訳本は10年前の今日1999年2月20日初版)

さすがに赤ちゃんの時のターシャは丸々として、
屈託のない笑顔を見せてくれましたが、
少女時代以降の彼女はスレンダーで、アゴを引き傾げた表情は控え目でも、
その眼差しからは、意志の強さが感じられるのです。

写真こそありませんでしたが、
父(ターシャの夫トム・マクレディ)のことも、少しだけ書かれていて、
『ターシャ・テューダーの人生』とは違うイメージに、ホッとしたりもしました。
やはり親子は、永遠に親子なのでしょうね。

あんなに華奢で、たおやかな感じのターシャ・テューダーなのに、
実は、強靱な精神と肉体の持ち主だった訳ですね。

よく激しい人生を送った人の事を、“人の何倍も生きた”などと言いますが、
彼女は私の100倍も、いえ、比較出来ない程の人生を送られたのですよね。

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『小径の向こうの家』~母ターシャ・テューダーの生き方~
(DRAWNN FROM NEW ENGLAND by Bethany Tudor)
ベサニー・テューダー/著 食野雅子/訳 メディアファクトリー

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COOL JAPAN …温泉(Onsen)

この間の初夏のような陽気もどこへやら、
やっぱり春は名のみでした。

日本人にとって、寒い時期の「お風呂」は、
聞いただけでホカホカしてくる嬉しい存在です。
「温泉」なら尚のこと。

積雪の中にひっそりと佇む鄙びた温泉宿の湯煙…
たとえ映像で見ただけでも、気持ちが安らぐから不思議です。

温泉は日本人のみならず、外国人にとっても素晴らしいものとのこと、
温泉に浸かった時に覚えるリラックス感に、国境は無いのでしょう。

でも近くに無い限り、そう簡単に行ける訳ではないのが温泉…
そんな時に有り難いのが、「温泉入浴剤」ですね。

新商品の開発の様子が紹介されましたが、
日本人からすると、「当然」とも思えることも、
外国人からは、一様に「やり過ぎ」との声が…

外国人にとっては、「たかが入浴剤」」なのかも知れませんが、
何事にも「たかが」が無いのも、日本人気質なのでしょうね。

「湯治場」…行った経験こそありませんが、とても懐かしい響きです。
自炊の湯治場こそが、温泉宿の原点では無いのでしょうか?
長逗留では、自炊も気分転換になっていいでしょうね。

ところで、外国人側から疑問があがったことに、
「日本人はシャイなのに、なぜ人前で裸になれるのか?」が、ありました。
これ、日本人の私の疑問でもあるのです。

温泉には入りたいと思うのに、
撮影用に使用するような、特大サイズのバスタオルとか、
濡れても身体に張り付きにくい素材のムームーが無い限り無理です。
一般庶民に、完全貸し切りは不可能ですし…

“なぜ、みんなは平気なの…?
温泉や銭湯に、平気で入れる人が羨ましい…”
「年を取ったら羞恥心が無くなる」と思っている人がいますが、
歳は関係無いですよ。

今回のBEST OF COOLは「温泉入浴剤」でしたが、
皆さん納得のご様子でした。

「湯めぐり」と「ツーリストサポーター」は、群馬県草津温泉で、
「温泉入浴剤」は山梨県の温泉、
「湯治」は八甲田山中の酸ヶ湯温泉で取材。

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「新任の先生」

歴史コンクールが2週間後に迫り、一段と厳しさを増すヘティの授業に、
子供達は学校を嫌がり、父兄からは苦情が殺到します。

教育委員会の委員に就任したアレックから、
教え方を改めるよう言われたヘティは、怒って教師を辞めてしまいました。

代わりの教師が決まらないため困っていた時に、現れたのが、
アリステア・テンプル(Christopher Lloyd)という俳優の男でした。

テンプルの教え方は独創的で、
「歴史というのは、その時代に生きた人々を理解することだ。
事実や数字の単なる羅列を、いかに興味深く、面白く料理するか。」
というもの…
彼は、子供達ばかりか、親達やヘティまでもを魅了してしまい、
歴史コンテストでは、見事優勝に導いてしまったのでした。

でも、オリビアとアレックに、正体がばれてしまったテンプルは、
「あらゆる場所が舞台なのです。人間すべてが役者なんです。
退場しては、また登場する。一人何役も演じる強者もいる…」
の言葉を残し、アボンリーを去って行きました。
次の役を求めて…

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<第3シリーズ>
第32話「新任の先生」(Another Point of View)より

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『ターシャ・テューダーの人生』

アンティークドレスは素敵です。
アンティーク家具も素敵です。
緑に囲まれた、田舎でのスローライフにも憧れます。

でも、アンティークドレスでの家事は大変そうですし、お手入れも面倒そう…
それに、便利さを知ってしまった現代人に、
電気もガスも水道も無い暮らしは、続けられるものなのでしょうか?
憧れだけでは無理でしょう。余程の覚悟と執着心がない限りは…

自らの意思とは言え、ターシャさんも、ニューハンプシャーに電気が通った時に、
真っ先に買ったのが洗濯機なんだそうですから。

田舎暮らしを望んで無かったターシャさんの夫にしても、
妻のライフスタイルに付き合わされて、さぞかし忍耐を要した事でしょう。
田舎暮らしに喜びを見出せず、妻の元を去ったとしても仕方の無い結果なのでは?
そう思っていました。今までは…

ところが、
長年、ターシャ・テューダーの研究をしてきたハリー・デイヴィスの著書、
『ターシャ・テューダーの人生』を読んだことで、
知らなくても良かったプライベート部分を、知ることに…

ご両親については、少しばかり知識がありましたが、
1938年に結婚された最初の夫の事については、全く知りませんでした。

意外なことに、結婚は恋愛によるものでは無く、
“他に求婚してくれる男性はいないだろう”と思ったから!…

田舎暮らしを望んで居なかった夫が、妻のライフスタイルを容認していたのは、
妻を養い手とみなしていて、それが収入に繋がっていたからに過ぎなかったから…
二人には、共通の趣味も無かったそうなのです。

結局1961年に、お二人の結婚生活には終止符が打たれたのでしたが、
後年、ターシャさん自身、“人生最良の決断だった。”と断言されていたそうです。
(もっと意外だったのは、再婚されていたこと…)
長くて短い人生、色々あったのでしょうね。

20090217

(右)『ターシャ・テューダーの人生』(The Art of Tasha Tudor)
   ハリー・デイヴィス/著 相原真理子/訳 文藝春秋
(左)『ターシャのスケッチブック』(Tasha's Sketchbooks)
   ターシャ・テューダー リチャード・W・ブラウン/写真
   食野雅子/訳 メディアファクトリー

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『生きていることを楽しんで』

ターシャさんの言葉シリーズ特別編の『生きていることを楽しんで』には、
写真だけでなく、絵も沢山載せられていました。
勿論、説得力あるターシャ流人生訓も…

知りませんでしたが、ターシャさんは、来日されていたのですね!
“40代終わりに”と書かれてあったので、今から40年以上も前のことですが…

友人の息子さんが、奈良で英語の先生をされていたのですが、
その友人から、
“…息子に会いに行きたいけれど、一人では嫌なので、一緒に行って…”
と言われたそうなのです。

“奈良の普通の家に滞在したのだけれど、食べ物も、日本のお風呂も気に入り、
…奈良は良い所で、日本は美しい国だと思った…”とありました。
お世辞でしょうか…?…でも、1965年以前の日本で良かったです。
現在の日本だったなら、どのように映ったのでしょうね?

家事も仕事も完璧になんて、いくわけがありません。
そもそも、わたしには、完璧にこなしているものなんて、ひとつもないわ。
~略~
だいたい、世の中に、完璧なものなんて、まずないでしょうーーー
完璧なのは、開花したばかりの花や、
生まれたばかりの赤ん坊くらいじゃない?
」…『生きていることを楽しんで』より

20090216
『生きていることを楽しんで』~ターシャ・テューダーの言葉 特別編~
ターシャ・テューダー/文
リチャード・W・ブラウン/写真
食野雅子/訳 (メディアファクトリー)

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『今がいちばんいい時よ』

ターシャさんは、いつも可愛いエプロンをしていましたよね。
『今がいちばんいい時よ』には、エプロンのことも書かれてありました。

“…手に持ち切れない程の果物や花なども、
エプロンに入れれば持つことが出来るし、
手を拭いたり、急な来客にも、とっさにテーブルをサッと拭いたりも出来るから、
こんな便利なものは無いのに、最近の人は、どうして使わないのかしら?…”
と…

多分、最近の人は、服を汚す様な家事はしていないからでは…?
それに、洗濯機で簡単に洗える素材の服を着ているからではないかしら?
何よりも、スカートを履いている人が少ないですしね。

ターシャさん、私はエプロンしてますよ。
頻繁に作っているのは、エプロンですからね。
…必ず、特大ポケットを付けて…ちょっとした物も運べて便利ですよ。

それから、ターシャさんは、日本の筆を使っていたとのことです。
細い線を描くには、日本の細筆が一番なんだそうです。
(写真で見る限りでは、書道用の細筆みたいです。)

これまでの人生は無駄だったなんて、
どうして思う必要があるのでしょう。
そう思う人がいたら、
残りの人生を、これまでの分まで楽しんで、と言いたいわ。

私は、社会通念より、自分の価値観に従って生きる方を選びました。
だから、おもしろくて充実した人生を歩んできたのだと思います。

                      …『今がいちばんいい時よ』より

20090215 『今がいちばんいい時よ』(ターシャの言葉シリーズ3)
ターシャ・テューダー/文
リチャード・W・ブラウン/写真
食野雅子/訳 (メディアファクトリー)

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↑「ターシャのスケッチブック」より(拡大します)

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『楽しみは創りだせるものよ』

一日の雑用を終え、カラスの行水も済ませ部屋に閉じ籠もる…
立てかけた枕に寄りかかっての読書は、安らぎのひとときです。

ですが、この時期、目の調子がとても悪くて、細かい字を読む気になれません。
そんな私に最適なのが、「ターシャの言葉シリーズ」です。

でも、あれ程大きい文字なのに、裸眼では見えない…写真もです。
と言うわけで、いつも拡大鏡を片手に見ています。
ただ、写真を見ている時間の方が長いので、読書とは言えないのですが…

それにしてもターシャさんて、本当に家事がお好きなんですね。
『思ったとおりに歩めばいいのよ』でも、
「…アンケートで職業を聞かれれば、いつも“主婦”と答えるのよ。
“主婦”は立派な職業よ…もし生活を支えてくれる夫がいたなら、
ガーデニングとお料理と縫い物ばかりしていて、絵は描いてなかったかも…」
と書かれてありました。
私は、もし夫がいたとしても、きっと絵も描いていたと思いますね。趣味として…

ところで、詰まらないことですが、私はターシャさんの髪が気になっていました。
写真では、いつも、ネッカチーフとコーディネイトされたお洒落なスカーフで
包まれているけれど…

『楽しみは創りだせるものよ』の中に、お写真がありましたよ。
三つ編みにされた髪は、高い位置でまとめられていましたが、
不思議なのは、その三つ編みの太さなんですよね。
かもじを足していないとしたら、
ターシャさんのお歳で、あの太さって凄くないですか…?

若さの秘訣
わたしの若さの秘訣は、想像力。
みなさんも想像力を枯らさないで!
」…『楽しみは創りだせるものよ』より

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『楽しみは創りだせるものよ』(ターシャの言葉シリーズ2)
ターシャ・テューダー/文 リチャード・W・ブラウン/写真
食野雅子/訳 (メディアファクトリー)

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「ジャネットの反乱」

ふとした切っ掛けで、平凡な専業主婦が女権に目覚めるお話です。
その勇気ある女性の名は、アレックの妻のジャネット・キング…

フェリシティは女権論者のことを、
「結婚出来なかったから、そんなことしてるだけじゃないの?」と言い、
フェリックスに至っては、「疫病神さ!」…

職業婦人のヘティでさえ、
「あなたは、もう、ウォード家の人間ではなく、キング家の嫁なんですから、
行いは、充分謹んで頂戴ね。
…私は、自分の本分を、わきまえてますからね。
フンッ!政治に口を出したりするつもりはありません!」
「忙しくしていれば、クヨクヨ考え事しなくて済むでしょ?
『怠け者には、悪魔が宿る』って言うでしょ!」と言う時代…

セーラだけは、ジャネットの強い味方でした。
「だけど、投票する権利がなかったら、世の中を良くして行けないじゃない。」

町中の人から非難されても、留置所に入れられても、アレックとの仲がこじれても、
信念を貫き、婦人参政権の署名活動をやり遂げたジャネットは本当に立派です。

ジャネットに代わって、家事を任されていたフェリシティも、
「お母さんのようには出来なかった。お母さんの気持ちが分かった気がする。」
…その立場になってこそ、知ることも多いのです。

女権論者の作家アメリア・サンド・ハーストと、野次馬との掛け合いが面白い。
アメリア 「女性達が苛立ち、声高に叫ぶのは、選挙の度に沈黙を強いられて来た
            からなのです。支配するのは常に男で、女は従うだけでした。」
野次     「あんた、うちのを知らんな。」
アメリア 「投票権があれば、女性も社会に対し力が持てます。
             世の中を変えて行く力を持てます。政治家は全員男です。
             そして、女性の未来まで、勝手に決めてしまうのです。
             票があれば、私達も意見を反映させる事が出来る。
             未来を自分で決められます。私達の子供の未来もです。」
野次     「女が出歩いたら、誰が飯を作る!?」
アメリア 「女は、医者や弁護士にもなれるのに、男は卵も茹でられない?」

(ところで、ピーターは、ずっとローズ・コテージで働いていたみたいですね。
ピーターだけでなく、ジェイクという男性も働いているようですよ。)

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<第3シリーズ>
第31話「ジャネットの反乱」(Aunt Janet Rebels)より

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ターシャさんの本たち

少し前までは、「クックブック」しかなかったターシャさんの本…
でも、今ではこんなに…なんて贅沢なのでしょう…!
これで憂鬱な花粉の季節も、幸せな気分で過ごせますよ。

このほかにも、
「ターシャ・テューダーの世界」「暖炉の火のそばで」
「ターシャ・テューダーのドールハウス」「恋をするターシャ」
「心に風が吹き、かかとに炎が燃えている」などなど、
読みたい本がいっぱいあるのですが、完全に予算オーバーです…。

20090212

左上から時計回りに…
「小径の向こうの家」~母ターシャ・テューダーの生き方~
「ターシャのスケッチブック」
「ターシャ・チューダーの人生」
「思うとおりに歩めばいいのよ」~ターシャ・テューダーの言葉~
「楽しみは創りだせるものよ」~ターシャ・テューダーの言葉 2~
「今がいちばんいい時よ」~ターシャ・テューダーの言葉 3~
「生きていることを楽しんで」~ターシャ・テューダーの言葉 特別編~
「ターシャ・テューダーのクックブック」

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“まだ見ぬ君を恋うるかな”

1966年6月、「高校三年生」でデビューされた舟木一夫さん、
にかんだ口元にのぞく八重歯と、詰め襟の学生服姿が印象的でした。

その後リリースした曲が次々と大ヒッし、ヒット曲の映画化にも出演され、
正に一世を風靡した歌手でした。
中学生だった私も、人並みに、お気に入りの曲の歌詞を、
ノートに書いたりしたものでした。

「学園広場」「仲間たち」「修学旅行」「君たちがいて僕がいた」…
一番好きだったのは、「あゝ青春の胸の血は」…
でも、「はるかなる山」という曲は、今も好きです。(元山女ですから)
「只今授業中」とか「涙の敗戦投手」という曲もありましたね。

その後、スーツに着替えてからも、「絶唱」「北国の街」「哀愁の夜」とか、
「花咲く乙女たち」「高原のお嬢さん」(この2曲は何故か嫌いでした。)
などがヒットし、歌謡曲に興味が無かった私でさえ知っているのですから、
当時の人気は、相当なものでした。

「あゝりんどうの花咲けど」「まだ見ぬ君を恋うる歌」「夕笛」「初恋(藤村の)」…
舟木さんの歌の多くはセンチメンタルで、悪く言えば、女々しいとも思えるけれど、
そこが、当時の乙女に受けたのかもしれません。

そればかりか、今もなお、かつての乙女達に支持され続けられているとは、
大したものですよ…ファンもですが…

ところで、40年来の友達の一人に、筋金入りの「舟木ファン」がいます。
そのエネルギーたるや驚異的で、何しろ40年も欠かさず、
コンサートでも、座長公演でも、出掛けていくのですから、とても真似出来ません。

私に興味が無い事を察してか、誘ってくれないことが幸いです…
いつだったか、彼女が「還暦を迎えた時には赤い学生服を着る。」
と言っていましたが…?

私自身は、もう20年位は舟木さんを見ていないけれど、
(別の)友人によれば、あれ程、初々しく、清潔感に溢れていた彼なのに、
声も、歌い方も、表情も、別人となってしまったのだとか…
(勿論、違った魅力があるとは思います。)

時は無情…でも、日本語の美しさは永遠です。
…まだ見ぬ君を恋うるかな…

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「ぼくの馬ブラッキー」

競馬で儲けたお金で、新しい馬を買ったアレックは、
ブラッキーを売ろうと、フェリックスに話します。
(品行方正なアレックなのに、妻に内緒でギャンブルするとはね…)

「ブラッキーは家族なのに、年を取ったからって売るなんてひどいよ。
売るくらいなら僕に頂戴。」
と言ったフェリックスでしたが、父から
「餌代は誰が払うんだ?家の手伝いに金は払えんぞ。」
と言われ、運送業を思い付きます。

算数はさっぱりなのに、お金の方面はしっかりしているフェリックスは、
勉強や家の手伝いを疎かにし、
セーラやセシリー、それに犬のディガーまで巻き込んで、商売に没頭…

でも配達の依頼は、お情けの知り合いばかりで、
しかも失敗続きで、苦情が絶えません。
その上、儲けの取り分で揉め、セーラもセシリーも降りてしまいまいました。

挙げ句の果てに、みんなを見返そうとして、他の運送業者の挑発に乗って、
ブラッキーを死なせてしまった…
「お父さんの言う通り、ブラッキーを売ってたら、死なせずに済んだのに…」
と深く落ち込むフェリックス…

「男の子は理屈で教えるものじゃない、失敗から学べ。」
がモットーのアレックでしたが、息子を助けてやらなかった事を反省するのでした。

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関連記事→首が据わってないダニエル?

<第3シリーズ>
第30話「ぼくの馬ブラッキー」(Felix and Blackie)より

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「困ったそっくりさん」後編

ハリファックスに渡ったガスを待っていたのは、父エイブ・パイクだった。
宝を見つけたイジーケル船長の居場所を聞き出すため、
船長の名を騙って、ガスを誘き出したのでした。

ガスについて行ったセーラも、ジョーのスリ仲間に、スリを強要されてしまう。
でも二人は、悪の手から辛くも脱出…

一方アボンリーでは、
あまりに酷い言動のジョーに、ヘティたちは振り回されていました。
フェリックス以外ジョーの正体を知らない大人達は、
“セーラが病気になってしまった!”と大騒ぎ。

ハリファックスから戻ったセーラとガスから真相を知ったヘティ達は、
「監獄に放り込むべき!」と熱り立つ…

しかし、ガスから、「ジョーには頼れる人がいない。
自分だって先生がいなかったら、どうなってたか分からない。
ジョーを監獄に入れたら、余計に悪くなる。」
と言われ納得したヘティは、ジョーの世話を、またしてもジャネットに命令。

「死んでもお断りです!
何でも言いなりになると思ったら大間違いですからね。
あの子をうちに置けって言うんなら、あたし達出て行くわ!」とジャネット…
当然ですよ。
そんな大人達の言い争いを尻目に、アボンリーを去って行くジョー。

何はともあれ、困ったそっくりさんの出現で、
お互いの大切さを再確認したヘティとセーラでした。

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<第3シリーズ>
第29話「困ったそっくりさん(後編)」(When She Was Bad…2)より

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花粉症…

立春が過ぎても、“春は名のみの~~”の所も多いのでしょうが、
我が地方では、連日、2月とは思えぬ暖かさです。
特に今日は暖かく、私の部屋の気温は、現在22度…東向きなのに。

待ちわびた春…
着更着(キサラギ)なんてどこへやら、古い上着よ、さようなら~(古い!)
暖かくなって心もウキウキ、家にいたら勿体ない…
通常の人なら、そうでしょう。

そうなんです。
春到来と言うことは、憂鬱な季節の到来でもあるのです…
1月より出始めていた花粉症の症状が、本日決定的となりました。

花粉症は、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、だけではないのです。
耳の奥や鼻の奥、喉の奥などの粘膜の痒みから、皮膚の痒み、呼吸困難、
目蓋の腫れと目の疲労感、慢性的な頭痛や集中力の低下…
…色々あるのです。

でも今はいいですよ。
花粉症も市民権を得たから…昔は大変でした。
病名もアレルギー性鼻炎だったり、アレルギー性結膜炎だったり…

招かれざる客に、箒を逆さに縦掛ける事もせず、
約2ヶ月間、じっと我慢でいましょう。素敵な事を想像しながら…

そういえば、花粉症の事、毎年書いている様な気がする…

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『思うとおりに歩めばいいのよ』…(2)

きのう購入した、ターシャさんの『思うとおりに歩めばいいのよ』、
美しい写真をゆったりと眺めては、幸せを感じています。

昨夜、遅くベッドに入ってから、少しだけ、ターシャさんの言葉を読みました。
不思議なことに、物事の捉え方、感じ方がとても似ていて、
一つとして、「そうなの?…私は違うけれど…」が無いのです。

私もターシャさん同様、生真面目で内向的な性格ですが、
ターシャさんほど意志が強くないのが残念です。

でも一番残念なところは、何一つ才能が無いところ…
ご両親から、想像力と絵の才能を受け継いだターシャさんが羨ましいです。

20090207 20090208 (←拡大します)
『思うとおりに歩めばいいのよ』(四六判)メディアファクトリー
ターシャ・テューダー/文 食野雅子/訳
リチャード・W・ブラウン/写真

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『思うとおりに歩めばいいのよ』

昨日まで、私が持っているターシャさんの本といえば、
『ターシャ・テューダーのクックブック』だけでしたが、
今、私の傍らには、二冊目のターシャさんが置かれているのですよ!

『思うとおりに歩めばいいのよ』というタイトル…気持ちが和む響きです。
当時のターシャさんは、87歳でした。
やっぱり、お若いですね~

中には、在りし日のターシャさんのお姿や、美しいコーギーコテージの写真ともに、
心に染み入るターシャさんの言葉が添えられていました。

でも私は、写真を眺めているだけで、充分満足なんです。
腰巻き(帯)には、「言葉の宝石箱」と「小さな哲学書」の文字が…本当にその通り。
それに、「美術書」でもあるのですからね。
一度に味わったら、あまりに贅沢で、勿体ないですよね!

<ターシャ・テューダーの言葉シリーズ>四六判
(メディアファクトリー)
ターシャ・テューダー/文 食野雅子/訳
リチャード・W・ブラウン/写真
『思うとおりに歩めばいいのよ』(180P 2002/10)
『楽しみは創り出せるものよ』(178P 2003/12)
『今がいちばんいい時よ』(158P 2004/12)
『生きていることを楽しんで』(152P 2006/12)

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COOL JAPAN…マンガ(Manga)

昨夜のテーマは「マンガ」でした。
外国人が驚くほど、日本人はマンガ好きな国民なんだそうです。
外国ではマンガは子供のもの、大人が読んでいたら白い目で見られるとか。

漢字を知らないのは、マンガのせいでは無いのでしょうが、
首相からしてマンガ好きの国ですから。

日本のマンガは、専門書から文学まで多岐にわたり、
かつてのサブカルチャーから、今や、メインカルチャーになっているそうです。
そして、最近では、ドラマの原作もコミックが多いそうなのです。

入門書の類は、マンガも一つの手段かと思いますが、
小説のマンガ化には、少々疑問です。

文学は、あくまで読む人個人のイメージではと思えるし、
文章の一字一句が、作者自身の表現と思えるからです。

マンガによって、おおよそのストーリーは理解出来たとしても、
それだけで、読んだと思ってしまったなら、ちょっと違うような気がします。

また、日本人は、大人になってもマンガ好き、とは言っても、
それは多分一部の人のことで、
私の世代にもなると、やっぱりマンガは子供ものといったイメージです。

それとも、もう私の歳は、対象外なのでしょうか?
…完全に、時代に取り残されてる…

私も子供の頃は、月刊雑誌『りぼん』に連載されていた、
わたなべまさこさんや、牧美也子さんの漫画を読んでいました。

タイトルも内容も、覚えてはいませんが、
バレエが題材の漫画が多かったような記憶だけはあります。
唯一、覚えているのは(タイトルを)、牧美也子さんの「少女三人」…
でも、もはや知ってる人はいないしょう。
(『りぼん』に限らず、当時の少女雑誌は付録付きで、
中身も、漫画は少なかったです。)

そんな私ですが、実は、漫画本を持っているのです。
すべて長谷川町子さんの漫画なのですが…

「サザエさん」(全巻ではない)「別冊サザエさん」「よりぬきサザエさん」(全巻)
「いじわるばあさん」(全巻)「新やじきた道中記」(上下巻)「似たもの一家」
「サザエさんのうちあけ話」「サザエさんの旅あるき」
…持ってないのは、「エプロンおばさん」と「仲よし手帖」だけ。

今では購入不可能となっってしまった「サザエさん」、
“全巻揃えれば良かった”と、今更ながら悔やまれます。

余談ついでに、サザエさんの誕生日は1922年11月22日、
タラちゃんは1946年生まれ…永久に歳を取らなくていいですね~
20090205 漫画『サザエさん』第一巻 長谷川町子 姉妹社

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「困ったそっくりさん」前編

いつまでたっても、子供扱いするヘティに、
セーラの我慢も限界に達しました。

「伯母さんは、あたしを伯母さんみたいに、しようとしてるの。」
「なれっこないよ。なりたくもないし…」(フェリックス)

「“ちっともきれいになってない。フン
汚れた鍋は、ペストの元なんですってね。
よその奥さんが見たら、何て言うか。どこで育ったの?豚小屋?…”
もう、どうしたらいいか分かんない! 何やったって叱られるんだもの。」

「…いやな服、無理に着せられて…
このドレスなら、裾が調節出来るから、何年でも、もつわ。
大学生になっても、結婚しても、死んでも着られるのよ…”」

と、みんなに愚痴るセーラ…

セーラは、瓜二つの少女・ジョーにそそのかされ、家出を決行。
ハリファックスに行くガスに、強引に同行してしまいました。

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<第3シリーズ>
第28話「困ったそっくりさん(前編)」(When She Was Bad…1)より

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『ナタリーの朝』

『卒業』が男性版なら、『ナタリーの朝』(1969)は女性版『卒業』かな?
主演のパティ・デュークは、『奇跡の人』で、ヘレン・ケラー(1962版)と、
アン・サリバン(1979版)を演じた女優さんです。

ちなみに、1962年版のアン・サリバン役は、アン・バンクラフトで、
1979年版でのヘレン・ケラー役は、メリッサ・ギルバート
(『大草原の小さな家』のローラ・インガルス役)です。
また、ショーン・アスティンはパティ・デュークの息子さんです。

小柄で、容姿も日本人が親近感を覚えるタイプのパティ・デュークは、
当時、ちょっとしたアイドルでした。

以下ネタバレ…
ナタリーは幼い頃に、近所の男の子から“ちんくしゃ”と言われてからというもの、
自分の容姿に、コンプレックスを抱いてしまいました。
(「ちんくしゃ」と訳されていましたが、原文ではどうだったのでしょう?)

母親からは、
「子供の時に可愛かった子は、大人になってから不美人になるし、
子供の時に、そうで無かった子は、美人になる。」
と、散々聞かされていたけれど、ナタリーの場合は違いました。

「まともな男性は、女性を顔じゃ無く、中身で選ぶもの。」
と言っていた大好きな叔父さんは、絶世の美女と結婚してしまった…

ダンスパーティーでは、女性としての屈辱を味わい、
それでも両親は、ナタリーを、まるで、お姫様の様に扱うのですから、
家出して、人生を変えるしか無いでしょう。

新しい住み家は、マンハッタンのグリニッジ・ヴィレッジ。
さすがです。住人だけでなく、ナタリーのアパートも、とってもユニークなんです。

鼻の美容整形をしようと、病院に行って、サンプルを見せられ、
怖くなって帰ってしまったり、
怪しげなスタイルでのアルバイトをしたり、
手動式の荷物専用エレベーターに乗り込んでは、
階下の住人の部屋を眺めながら上下したり…
その男性は画家で、いつも違う女性モデルを描いているのです…

ところで、ナタリーは、いつも颯爽と日本製のオートバイ(カブ?)で、
移動していましたが、私の記憶ではホンダかススキだったよう気がするのです。
でも、ノヴェライズでは、ヤマハになっていました…
『ナタリーの朝』をもう一度見て、色々確認してみたいです。

ノヴェライズ…『ナタリーの朝』(原題 Me, Natalie)角川文庫
                   A.M.ツウェイバック 作 平井イサク 訳

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『卒業』

アメリカ映画の『卒業』(1968)は、当時、とても評判となり、
私も見に行きましたが、正直のところ、少々期待外れでした。

男性なら、共感を覚えたのかも知れませんが、
内容的にも、主人公の生き方にも、新人だったダスティン・ホフマンにも
魅力を感じず、ミセス・ロビンソンに至っては嫌悪感以外の何者でも無かったです。

唯一の救いは、ロビンソン夫人の娘(キャサリン・ロス)の純粋さだけでした。
母親とは正反対な清純な女性で、一服の清涼剤といった存在でした。

『卒業』と言えば、ラストシーンが有名ですよね。
教会の式場からウェディングドレスの花嫁を奪ってバスに飛び乗ったけれど、
その先が心配になってしまいました。

もう一つ有名なのは、サイモンとガーファンクルの音楽ですね。
「サウンド・オブ・サイレンス」「スカボロ・フェア」「ミセス・ロビンソン」…
どの曲も素敵です。
映画『卒業』は、感動したとは言えませんが、
サイモンとガーファンクルに出会えたことは大きな収穫でした。

主人公の名前は覚えていないのに、
唯一、嫌いなミセス・ロビンソン(アン・バンクロフト)を覚えているのも、
サイモンとガーファンクルが歌っていたからなのです。

「サイモン&ガーファンクル」のベストアルバムには、
大好きな曲ばかり収められていますが、敢えてベスト3を選ぶなら、
(1)「コンドルは飛んでいく」
(2)「明日に架ける橋」
(3)「スカボロー・フェア」です…
(CDが登場する以前には、同じカセットテープを買って聴いていました。)

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『サイモン&ガーファンクル-若き緑の日々』CBS/SONY

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図書リスト

一月行って、二月は逃げて、三月去って…
一月も、早くも過去に行ってしまいました。

早くも!としか言いようのない、時の流れの早さです。
壁に掛けられた「ちひろ」の手作りカレンダーも、11枚になりました。

時の流れの早さと言えば、
思いがけない所から、思いがけないものに出会うことがありますが、
先日、引き出しを片付けている時に、忘れていた過去に出会いました。

新聞の切り抜きや、何かの説明書や、ちょっとした覚え書きといったもので、
取り敢えず、引き出しに仕舞っておいたものが、
だらしなさ故に、そのままになっていたものなのですが…

それらに紛れて、褐色に変色し四つ折りにされた小さなメモ用紙を見付けました。
開くと、それは図書リストでした。

多分20年位前の、書評などを参考とした、
本の購入予定(又は、図書館で探すため)のリストで、
本来なら、お財布の中にあるべきものなのです。

「峠の道」(西門民江)、「白い猫」(河合泰子)、「おんな二代の記」(山川菊栄)、
の他には、市川房枝、岡本かの子、円地文子、安西篤子、田辺聖子など、
偶然なのか、女性の著書ばかりの10数冊の全てが、未だに読んでない…

今となっては購入不可能の物も多く、図書館で借りるしか無いのですが、
借りたい(読みたい)本は、この古いメモ以外にも沢山あり、
色川武大の小説も読みたいと思いつつ、果たしていません。

新潮文庫、角川文庫、岩波文庫…
遙か昔、お小遣いで買える本といえば、文庫本が中心でした。

確か、新潮文庫では、フランス文学からでしたが、
巻末にある既刊本の目録を見ては、読んだ本のチェックをしたものでした。

あの頃は、死ぬまでに、すべて読みたいと思ったものでしたが、
それも今は昔です。

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