「ある母の愛」 (2)
大らかな母ジャネットと、しっかり者の娘フェリシティの会話が面白いです。
フェリシティ 「『すてきなお母さんという呼び方は、私の母にこそ、ぴったりです。
いつも母を見ていて、そう思います…』」(作文を読む。)
ジェネット 「あら、どうしましょ。」
フェリシティ 「…何度も気をつけてって言ったでしょ。
ガラス類は濡れたまま、ほっとくと、水滴の跡が付くの。」
ジャネット 「コップくらい何なの。いつか、あなたにも分かるわ。
家庭を持つと、することが山ほどあって、
コップ磨きばかり、してられないのよ。」
フェリシティ 「今、お母さんが言ったことは、作文には書かない。
コンテストに勝ちたいんですもの。」
ジャネット 「張り切ってるのね~、素敵な娘のコンテストみたい…」
フェリシティ 「汚れたコップより、
きれいなコップで飲む方がおいしいんじゃない?
勿論あたし、家事を手抜きするってことは書かなかったわ。」
ジャネット 「思いやりがあるのねえ。」
仕事で二日間留守にするアレックが、
「…いいね、みんなで、お母さんを大事にしてくれよ。
ジャネット、あんまり働き過ぎちゃいけないよ。
家事はフェリシティにやらせればいい…」と言いました。
「『家事はフェリシティにやらせればいい』…分かってないわ。
あたし、普段だって、ちゃんとやってるのに…
お母さんは、いつも手抜きするの。
きのうなんて、部屋の隅に、綿ぼこりがあったのよ。」
とセーラに言い付けたのでした。
何気ない父親の一言が、娘を傷付けてしまうことも…
<第2シリーズ>
第25話「ある母の愛」(A Mother's Love)より
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