« カール人形 | トップページ | 「走れ!ポストマン」…ウェーク島・完結編 »

『お菓子放浪記』

西村 滋さんの自伝的小説『お菓子放浪記』は、
読書感想文の課題図書になり、ドラマ化もされたので、
ご存知の方も多いかと思います。

『お菓子放浪記』のプロローグでは、
家族から呆れられる程、お菓子に憧憬を抱いているお父さんが、
子供達に、その訳を語ろうとしています。

孤児院を脱走したシゲル少年が、
空腹のあまり菓子を盗んだ事で、報徳学院(少年院)に入れられながらも、
遠山刑事や富永先生などとの出会いによって、
逞しく成長していく様が、一人称で描かれています。

時代背景もあって、少年院では甘い物は非常に貴重で、
元日と創立記念日に貰えるだけでした。
それなのに、盗られてしまっただなんて…
天涯孤独ゆえ、面会に来て、お菓子を差し入れてくれる人もいない彼にとって、
富永先生が、オルガンで演奏し歌ってくれる『お菓子と娘』は、心の拠り所でした。

♪~ お菓子の好きなパリ娘
        ふたりそろえばいそいそと
    角の菓子屋へボンジュール
        よるまも遅し エクレール
    腰も掛けずにムシャムシャと
        食べて口ふくパリ娘……

20081116a 20081116b
『お菓子放浪記』西村滋=作 八木康夫=絵(理論社の大長編シリーズ)
(右)カバーを外した表紙

ドラマの方は、見て無いので調べてみたところ、
TBSの「木下恵介・人間の歌シリーズ」(1976)で放送されていました。

シゲル役は板東正之助、富永先生役は島田陽子、
生徒達に恐れられている、ホワイトサタンこと日比野教官役は谷隼人、
他に、新玉三千代、高橋洋子、石橋正次、大谷直子、都家かつ江、
などが出演されていたようです。(敬称略)

|

« カール人形 | トップページ | 「走れ!ポストマン」…ウェーク島・完結編 »

* テレビ」カテゴリの記事

* 本」カテゴリの記事

コメント

最も印象に残っている遠山刑事役が誰だったのか知りたかったのですが、
分かりませんでしたね。
刑事と言うより、小学校の小使いさんといったイメージの鄙びたおじさんでした。
素朴な挿絵も気に入っています。

投稿: Michi | 2008年11月17日 (月) 00:05

このテレビドラマ見てました。どんな物語で、どういう人たちが出てたのか忘れてしまいましたけど、滋と富永先生と言う名前とあの歌は、覚えてます。富永先生って島田陽子さんでしたか。懐かしいな。強くて逞しい主人公の多い中で弱くてどうしようもない滋がたたかっていく姿に妙に親近感を覚えたものでした。もちろん、お菓子の好きなパリ娘…の歌は、今でも歌えますよ。なんで、肝心なとこは、忘れて変なとこだけ覚えているんでしょうね。

投稿: katarohina | 2008年11月16日 (日) 19:26

この記事へのコメントは終了しました。

« カール人形 | トップページ | 「走れ!ポストマン」…ウェーク島・完結編 »