『足跡』
『足跡』(童心社)は、矢沢 宰の詩集『光る砂漠』の日記編(詩もあり)で、
13歳から入院生活を余儀なくされた、彼の叫びが聞こえます。
『足跡』 矢沢 宰≪光る砂漠≫日記編 「若い人の絵本」シリーズ(童心社)
偶然にも、矢沢 宰さんとは、遠い遠い繋がりがありました。
矢沢さんは、私の友達の知り合いの、高校時代の後輩だったのです。
友達の同人誌の仲間のその人は、短大の国文科の先生なのですが、
矢沢 宰さんとは、部活も同じ(文芸部)だったそうなのです。
< 小道がみえる…… >(絶筆)
小道が見える
白い橋もみえる
みんな
思い出の風景だ
然し私がいない
私は何処へ行ったのだ?
そして私の愛は
21歳で亡くなった後に、病床から発見された詩ですが、
この詩を書いた時の彼の気持ちを想像すると、胸が痛みます。
啄木も、中原中也も、立原道造も、八木重吉も、そして矢沢 宰さんも、
みんな美しい置き土産を残し、青年のまま逝ってしまいました。
私の好きな、梶井基次郎も新美南吉も…
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