『ティファニーで朝食を』
10代の頃に、トルーマン・カポーティーの小説、
『ティファニーで朝食を(Breakfast at Tifany's)』を読みました。
同名のオードリー・ヘップバーン主演の映画の、あまりの詰まらなさから、
逆に、原作を読みたくなったからだったと思います。
(オードリーは素敵でしたが…)
映画の内容(小説もですが)は、殆ど忘れてしまい、覚えている事と言えば、
タクシーで乗り付け、ティファニーの前でクロワッサンをかじるヒロイン、
主題歌の「ムーンリバー」、それに、ユニオシという日本人…などです。
↓
題名の「Breakfast at Tifany's」は、
ニューヨークの高級店に出入り出来る身分になりたいという、
比喩的表現で、決して、宝石店の前で朝食を摂る事では無いのですよね。
勿論、原作には無かったと思います。
ハッピーエンドというのも、ヒロインを別人にしてしまったと思いました。
そもそも原作では、あの小説家は恋人では無く、
取り巻きの一人に過ぎなかった訳ですし…
ホリディ(ホリー)・ゴライトリーが飼っている猫の名前が、ノーネーム、
名刺には、トラベリング(旅行中)と印刷され、
電話はトランクの中(携帯電話ならいざ知らず)というように、
彼女は、根っからの“根無し草”で、ニューヨークを去った後には、
ブラジルやアフリカを旅しているのですから…
ホリーがモテモテは、魅力的ということ以上に、
それで生活が成り立っている類の女性だからなのですよね。
そうそう、映画版の日本人カメラマン、ユニオシ氏…
欧米人が抱く日本人のイメージって、ああなのでしょうね。
余りの違いに、カボーティが、のけぞったとか…肯けます。
ところで、マンシーニの名曲、“ムーンリバー”は、
私の世代では、アンディ・ウィリアムスですね。
昔、「アンディ・ウィリアムス・ショー」という番組があって、
「オズモンド・ブラザーズ」や「ジャクソン・ファイブ」が出ていました。
(タイトルは忘れましたが、「ミッチ・ミラー合唱団」の番組もありましたね。)
小説『ティファニーで朝食を』(龍口直太郎・訳 新潮文庫)
映画『ティファニーで朝食を』(1961年、アメリカ)
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