『赤い蕾と白い花』
BS2で、吉永小百合さんの映画、『白い蕾と赤い花』(1962)を放送していました。
この映画は、石坂洋次郎原作の小説『寒い朝』の映画化なのですが、
タイトルが違うのは、日活の重役が、
「封切りが6月なのに、『寒い朝』ではおかしい」と言ったからと、
吉永さんの著書にありました。
タイトルが変えられたことは、吉永さんにとって残念だったとか。
当時、吉永さんも相手役の浜田光夫さんも、高校生だったから、
本当に可愛らしくて、元気溌剌でしたね。
ストーリーは、高校生の岩淵とみ子(吉永)と、三輪重夫(浜田)が、
お互いの母親(高峰三枝子)と、父親(金子信雄)を仲良くさせようと企てるのですが、
いざ仲良くなると反発し、書き置きを残して、強引に重夫を誘って家出してしまう…
映画の中のお二人は、よく食べ、そして走っていましたね。
とみ子の衣装が、可愛くて上品でした。
チェックのジャンパースカートもお洒落だったのですが、
あれは制服だったのでしょうか?
衣装と言えば、高峰三枝子さんが着ていたブラウスの襟に、
ドーランらしい色が付いていましたが、昔の映画って、よくありますよね。
とみ子のお祖母さん役で、北林谷栄さんが出ていたのですが、
設定では68歳・・・当時のお祖母さんは老けていたのですね。
お肌はツルツルなのに、格好が現在とは違うからですね。
今は、お肌は年相応でも、服装が若いのですよ。
↓
昔の映画の楽しみの一つに、今となっては死語になってしまった言葉遣いや、
当時の物価、町の光景、家のインテリアなどがありますが、
またまた、見つけてしまいました。
<死語の世界>
「お玄関」…昔の女性は、やたら“お”を付けていましたよね。
「かっぽう前掛け」…“かっぽう着”は知っていますが、この言い方は初耳です。
「欠食児童」…現在の日本にも、欠食児童はいるのでしょうか?
「呆れたわ!」「何かあって?」…こんな女性言葉は、もう使われないですね。
「…ざあます」…いわゆる“ざあます言葉”です。笑えます。
「お下劣」…懐かしい言葉です。
「のっぺらぼう」…比喩や、慣用句も、あまり使われなくなりましたね。
「あんちくしょう」…これ、放送禁止用語?
「クロンボ」(店の名前)…今は差別用語でしょう。
<物価>
とみ子と重夫が家出する時、重夫が家から持ち出したお金は、1,300円。
二人の食事…釜飯が100円以下、カツ丼とスパゲッティが、(安いお店)それぞれ50円。
二人が泊まった宿屋の宿泊料…朝食付き700円。
それにしても、多摩川周辺が、あんな風景だったとは…
ところで、You Tubeの、「寒い朝」のカラオケバージョンに、
『赤い蕾と白い花』のシーンが使われていました。
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コメント
ふらん様、コメント、そしてご指摘ありがとうございました。
吉永小百合さんの映画を、懐かしいと言うだけで見ている私ですので、
記事に問題点も多いかと思います。
そうでしたか。私が読んだ『夢一途』には、ただ、
・・・「六月に封切るのに、『寒い朝』なんておかしい」という、
日活重役の一声で、題名が変わってしまったのです。・・・
とだけ書かれてあったものですから。
『赤い蕾と白い花』という題名も素敵ですが、
封切りを原作の季節に合わせたなら、題名を変える必要も無かったのに、と思いました。
(題名だけでなく、内容も変えられていました。)
45年も前のことを言っても始まりませんね。Michiより
投稿: Michi | 2008年7月 3日 (木) 11:22
今晩は。「寒い朝」はダメだと言ったのは、江守常務ではなく堀社長自身だったようです(別のソースでの小百合さんの回顧)。
『キューポラ』や『愛と死をみつめて』の陰に隠れていますが私はこの映画大好きなのです。何度みても飽きません。
高峰三枝子→吉永小百合という系譜はもっとまともに論じられるべきだと思っています。
西河克巳という人は本当にうまいなと思います。
投稿: ふらん | 2008年7月 3日 (木) 02:29