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『「赤毛のアン」の秘密』

先日、図書館に行った折、ついでと言っては何ですが、
『「赤毛のアン」の秘密』(小倉千加子・著 岩波新書刊)を借りて来ました。

以前から、この本のタイトルだけは知っていましたが、
単純に、アンの物語についての秘密が書かれていると思っていました。

しかし読み出した途端、期待は裏切られ、
著者が頻繁に使う「アン・フリーク」とまではいかないまでも、
夢中でモンゴメリの作品を読んだ時期があった私にとって、
間違いなく辛い読み物で、途中、何度投げ出そうと思ったことでしょう。

それでも、忍耐強く読み終えたのは、
そうしないことには、判断出来ないと思ったからなのです。
でも、“勇気ある撤退”をするべきでした。

私にとって、ルーシー・モード・モンゴメリ論は、
20年以上も前に購入した『赤毛のアンの世界』~作者モンゴメリの生きた日々~
(モリー・ギレン 中村妙子 訳  新潮文庫)で充分です。

はっきり言って、このタイトルは、売らんが為の下心が見え見えで、
もし著者自身の意向だったとしたなら、
著者が軽蔑する“通俗”そのものになってしまったことが皮肉です。

時々、本のタイトルだけで注文し、失敗する私ですが、
図書館で借りたことが、せめてもの慰めです。

ちなみに、表紙カバーの、そで部分には、
  なぜ「赤毛のアン」は日本で強い人気を保っているのか。
  モンゴメリの生涯と創作過程を詳細に追跡し、
  男まさりの少女の物語が戦後日本の女性の
  内面と深く関わっていることを論じ、
  新しい「アン」像を打ち立てる。
と、ありました。

これ、編集者によるものなのでしょう。
内容とは異なるし、
“男勝り”という言葉をフェミニストの著者が使うとは思えないからです。

続く…

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