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ETV特集「祖国ポーランドを撮り続けた男」

放送後、2週間近く経って見ました。
ETV特集「アンジェイ・ワイダ 祖国ポーランドを撮り続けた男」を…

アンジェイ・ワイダは、映画『灰とダイヤモンド』(1959)の監督として有名ですが、
(とは言っても、私は見てないのですが。)
ワイダ監督の最新作は、「カティンの森事件」を題材にした『カティン』…
(『カティン』は、アカデミー賞の外国語映画映画部門にノミネートされました。)

1939年、ナチス・ドイツ、ソ連に侵攻されたポーランドは敗北。
1940年、捕虜にされたポーランド軍将校など、4,000人以上のポーランド人が、
旧ソ連の秘密警察によって、虐殺(銃殺)されたのでした。

ドイツ軍の蛮行と主張し続けてきたソ連側が関与を認めたのは、
事件の50年後のこと…
歩兵連隊長だったワイダ監督の父も、カティンで虐殺された一人だったのです。

しかし、旧ソ連の影響下におかれたポーランドの国民にとって、
事件の真相を知ることは許されないことでした。

表現者の道を選び、映画を撮り続けたワイダ監督も、
民衆に訴えたかった真実は、国家の検閲によって削除されたのでした。

国家の体制や、支配力のためなら、事実をねじ曲げ、国民を欺くことは当然、
労働者に銃を向けることさえ正当化される…

程度の差こそあっても、
これは、社会主義国家だけに限ったことでは無いような気がします。
一般国民は、真実を知らされていないことすら、気付いていないのですから。

アンジェイ・ワイダ監督にとって、映画『カティン』は、
惨殺された父と、夫の死を信じないまま亡くなっていった母に、
捧げたかった鎮魂歌だったのかも知れません。

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コメント

I LOVE アボンリーさま、いつも、コメントありがとうございます。
『聖週間』は、私が“是非見たい!”と思いながらも、見ていない映画の一つでした。
(あなたのコメントで、それを思い出したのですよ。)
忘れずに「BSシネマランド」にリクエストしますね。
監督の他の作品も・・・

投稿: Michi | 2008年6月28日 (土) 22:12

私も彼の映画は好きです。…といっても3本しか見ていないのですが。
とてもシリアスな内容なのに、映像が本当に美しくに…そこに複雑な思いを抱きます。
とても美しい場所で続いてきた、歴史の苦しみ…というか…

『聖週間』オススメです☆

投稿: I LOVE アボンリー | 2008年6月28日 (土) 10:09

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