『青い山脈』(1949)
1947年に朝日新聞に連載された石坂洋次郎の小説『青い山脈』は、
5回映画化されたとのこと。
映画化第一作目は1949年で、主題歌は(西條八十・作詞、服部良一・作曲)、
藤山一郎さんと奈良光枝さんが歌い、大変ヒットしたようですね。
今まで、私が見たものは、1963年吉永小百合さん主演の作品で、
その時の主題歌は、神戸一郎さんと青山和子さんでした。
先日、1949年(昭和24年)制作『青い山脈』の放送があったので、
小百合さん以外の新子を見ることが出来ました。
東宝作品で監督は今井正監督、島崎雪子先生役は原節子さん、
寺沢新子役は杉葉子さん、金谷六助役は池部良さん、
梅太郎(芸者)役は木暮実千代さんでした。
ストーリーは知っているので、新しい発見も無かったのですが、
60年前(私が生まれる前!)の作品と言うことでは、色々と興味深かったですね。
↓
例えば言葉遣い。
男女の違いや、年代、職業の違いなどが、はっきり区別されていましたね。
女性の場合、自分のことは「あたくし」、
驚いた時や呆れた時は、「まあっ!」又は「あらっ!?」
(今だったら、ウソッ!?か、マジ!?ですか…)
語尾などは、
「…ですのよ。」「…ですわ。」「…だって、そうなんですもの。」となるのです。
当時の女性の誰もがそうだったとは思えませんが、女らしいですよね。
服装にも興味津々。
当時は、普段でも和服姿(特に中高年の女性)が珍しく無かったようで、
当然ながら、非常に着慣れた感じで、普通の人でも粋に着こなしていて、
お太鼓も、斜めに締めていましたね。
意外なことに、女学校の制服のスカートは膝が見える位に短かったです。
また、体育の時間は、キュロットスカートでした。
それから物価の違いでは、こんな会話がありましたよ。
新子「…卵、買って頂けませんか?」
六助「卵?…いくらだい?」
新子「一つ15円です。」
六助「高いな。」
新子「高くありません。普通は20円くらいです。」
バラの花の値段を言うシーンもありました。
沼田「綺麗なバラですね。高かったでしょ?…10円?…もっと高いんですか?」
島崎「ええ、一本100円です。」
当時の物価は判りませんが、卵もバラの花も、随分高かったですよね。
昔は、小学校に入学して最初に習うのが片仮名だったそうですが、
この映画は戦後なのに、黒板の文字が漢字と片仮名で驚きましたね。
最後に、「死語の世界」として、与太者(不良)、女学生(女生徒)…。
| 固定リンク
「* 映画」カテゴリの記事
- 「婚前特急」(2011)(2014.11.26)
- 『早春物語』(赤川次郎・著)(2014.11.06)
- 『早春物語』(1985)(2014.11.03)
- 「我が大草原の母」(2010)(2014.07.01)
- イーハトーヴ(2014.03.19)
最近のコメント