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BSドキュメンタリー『山の分校』

保存してあった番組、
BSドキュメンタリー『山の分校~中国・代用教員と子どもたち~』を見ました。

中国の僻地での教育を支えているのは、
教員資格の無い代用教員の人達、その数、36万人以上とか…

中国のほぼ中央、陝西(せんせい)省、
紫陽県にある、油房小学校の分校で教鞭を執る、
24歳の冉蘭(ぜんらん)さんも、その一人です。

大学を卒業し、外資系企業に就職したものの、
都会での人間関係に疲れ傷付いた彼女は、
故郷に戻り、月給600元(教員の半額)の代用教員の道を選びました。

麓の婚家から分校までは、車が通れない山道を1時間以上掛かるので、
普段は泊まり込みで頑張っています。

村の暮らしは大変貧しく、食事は1日2食が当たり前…
分校の設備も劣悪で、遊具は勿論のこと、消毒液さえありません。
まさに、映画『あの子を探して』(1999)の世界そのものです。

子供達の両親は出稼ぎに出ていて、祖父母が面倒をみているため、
就学年齢(6歳)に満たない3~4歳の子供まで、
山道を片道1時間半も歩いて登校しています。(託児所代わり)

ある時、1人の男の子が、勉強ができたご褒美にと、
先生がポケットマネーで購入した、小さな“鉛筆削り”を貰いました…

翌日の教室は、蜂の巣をつついた状態…
宝物の“鉛筆削り”が盗まれたと言うのです。

犯人扱いにされた少女は、「誓って私は盗んでいない。」と言い張り、
先生が別室で聞いても、
「盗ったのではない。同じ物を叔母さんから貰った。」の一点張り…

どの生徒も傷つけたくない先生は、(別の)鉛筆削りを見せ、
「先生が見つけたよ。
誰とは言わない、隠した子は、明日先生に反省文を書いて来るように。
もう、鉛筆削りのことは言わないでね。」
と言って、男の子に鉛筆削りを渡して一件落着…

でも、子供達は、そう簡単に誤魔化されたりはしないのです。

「欲しいからって盗んで、それで貰えるなら、褒美の意味がない。
みんなだって鉛筆削りが欲しいのだから不公平だ…私にも頂戴…」
と、口々に先生に詰め寄ったのです。
理屈が通ってますよね。

先生は再度少女と話し合いました。
教室に戻った少女は、「私が悪かった。お許し下さい…」と謝りました。

先生はそれ以上言わせず、
「みんなも謝って欲しい。
みんなが帰ってから、落ちてるのを見つけて拾っただけ。

翌日、渡そうとしたのに、みんなから、盗んだと激しく責められてしまい、
怖くなって本当のことが言えなくなってしまった…
謝るチャンスを与えなかったみんなにも責任があるのだから…」
と諭したのでした。

話が真実なのか、少女の作り話なのか、それとも先生の作り話なのか、
真相は藪の中ですが、見事な対応に感心しましたね。

5ヶ月近くのを、子供達と過ごした分校を去る日、
プレゼントを渡し、泣いている生徒の一人一人に語りかける先生。

冉蘭先生が最も気がかりな男の子のことを、
クラスで一番強いリーダー格の少年に、
「助けてあげてね。」と頼む先生の言葉に、思わず泣けました。

『あの子を探して』には、正直それ程の感動は無かったのですが、
『山の分校』は、ドキュメンタリーだけに、
冉蘭さんの仕事に対する一途さや生徒への思いやりに、深い感銘を受けました。
教師の質は、資格や経験には関係無いことを、改めて実感しましたね。

ところで、
中国では、物を大切に扱うとか、
身の回りを清潔に保つとかいった教育はされないのでしょうか…?

水が貴重と言うことは解るけれど、
子供達は、顔や手を洗う習慣も無いのでしょうか…?

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