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対照的な二人

 《 アボンリーの素敵な教師と、その知られざる横顔 》

二人の違いは個性の違いである。
短期間アボンリーにいたミス・ミュリエル・ステーシーと、ミス・ヘティ・キングは、
共に自立した働く女性であるが、趣味は大変違う。

例えば、ミス・ステーシーの朝食は、
イチゴとリンゴ
バター付のマフィンとコーヒーと言ったものだが、
ミス・キングは、塩を入れないお粥を好む。
(塩も無し? 馬の餌みたいじゃない…)

美容についても、ミス・ステーシーは、
イギリスの白粉とフランスのクリーム
を愛用している。
(お金を掛けてるのねぇ…)

ミス・キングは、石鹸で洗うのみである。
(石鹸は安いし、水はタダだわねぇ…)

愛読書について言えば、ミス・ステーシーは『誇りと偏見』を第一に挙げ、
ミス・キングは『聖書』を挙げる。

休暇も、それぞれである。
ミス・ステーシーは、この春、フランスでセーヌ川の船旅を楽しんだ。

そして、ミス・キングは、ハリファックスまで、フェリーに乗った。
(一同大爆笑!)

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これは、アボンリー新聞に掲載されたオリビアの記事ですが、
(カッコ内は夫人達の反応)
いかにもヘティらしくて、笑ってしまいました。

オリビアとしては、“ヘティは賢い人”と言いたかったのですが、
裏目に出てしまい、恥をかかされたヘティが怒ったのも当然です。

「あんたの首を絞めてやりたいわ!
フンッ!あれじゃ私は、干からびたお婆さんじゃないの!」

…しかも、読み上げていたのがポッツ夫人ですからねぇ…

1602

<第2シリーズ>
第16話「のろわれたバイオリン」(Aunt Hetty's Ordeal)より

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