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『銀の匙』

中勘助の自伝的小説『銀の匙(さじ)』は、とても思い出深い一冊です。

出会いは古く、中学の時、クラブ活動の顧問の先生が勧めてくれた本でした。

美しい題名に相応しい、優しく女性的な文体で、小説と言うより散文詩的ですが、
漢字が少ないことと、極めて読点の無いのが、かえって読み難くもありました。

江戸文化が色濃く残る、明治の東京の風俗が描かれていて、
ちょっと身近な、時代小説を読んでいる錯覚に陥りました。

難産の末、生まれた主人公の「わたし」は、
生まれながらにひ弱で、腺病質な子供、
人見知りの意気地無しに加え、内向的で感受性が強く、神経質な性格…
まるで私とそっくりの主人公に、親近感を覚え、
「そうそう…」と思いながら読んだ記憶があります。

20080225 『中勘助随筆集』 渡辺外喜三郎編 岩波文庫

「中勘助文学記念館」
http://www.asahi-net.or.jp/~KW2Y-UESG/hitobito/nakakansuke/nakakansuke.htm

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コメント

katarohina様、コメントありがとうございました。
「銀の匙」は、美しいの一言ですね。
「銀の匙」を思えば、遙か昔の中学生だった頃の記憶がよぎります。
“文学少女の成れの果て”の今、悔やまれるのは、
読書記録を残して置かなかったことなのです。

投稿: MIchi | 2008年3月 5日 (水) 23:51

銀の匙 懐かしいです。引出しを引っ掻き回して小さな銀の匙を見つけたくらいこのタイトル懐かしいです。もうほとんど覚えてないんですが高校の頃かな好きな本はと聞かれて「中勘助の銀の匙」と言ってた記憶があります。あなたのブログで久しぶりにこのタイトルを見て何か清冽な気持になりました。忘れ去ってしまったこと今更ながら多いんだなとも感じました。
それでは、また。

投稿: katarohina | 2008年3月 5日 (水) 18:00

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