ETV特集「大東京の真中で、一人~詩人・中原中也を歩く~」
先日放送のETV特集、
「大東京の真中で、一人 ~詩人・中原中也を歩く~」を観ました。
中原中也は、青春期に、誰でも(?)一度は虜にさせられる詩人ですが、
御多分に洩れず、私もその一人でした。
仲間の詩人の誰よりも、詩に対する情熱が激しかったために、
みんなから敬遠され、孤立していったとしても、
そうするしか、術がなかったのでしょう。
↓
最近になって発見された、友人に宛てた手紙と、その友人が撮った写真は、
余りにも痛々しくて、見てはいけない物を見てしまった気がしました。
写真と言えば、昭和11年撮影の(証明写真のような)写真ですが、
NHKに入社試験のためのものだったとは…
それは、自らの意志によるものだったのでしょうか…
私にとっては、これも知りたくなかったエピソードでした。
町田康さんによる朗読は、語尾が聞き取れなかったにしても、
詩人らしく淡々として、心に染みましたが、
メロディを付けたものは、心底、聴きたくは無かった…
確かに中也の詩は、自然とメロディーが浮かびはしますが、
それは、あくまで銘々のもの…
聴衆の為の劇場やライブハウスでならともかく、TVでは止めて欲しかったです。
私としては、耳を塞ぎたい気分でした。
郷里にある「中原中也記念館」のHPを覗いてみれば、
思いもよらない、グッズの数々…
運営には収益が不可欠ではあるにしても、
少なくとも、私は欲しいとは思いません。
しかも、例の帽子まであるのだから…呆れました。
それが今の世の現実、でもダダイストの中也が知ったら、どう思うのでしょう。
中原中也は、アルチュール・ランボーとイメージが重なりますが、
それもそのはず、ランボーから多大な影響を受けたからなのです。
私自身も、ランボーから移行しての、中也でした。
二人の詩集は、今では本棚のどこかでホコリを被っていますが、
友達と“ランボーは乱暴な生き方をした”などと冗談言ったものでした。
青春そのものの中原中也…
没後70年の時間が経過しただなんて信じられません。
どこかで、ずっと30歳のまま、生きていると思いたいです。
汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところもなく 日は暮れる…
※ ランボーとヴェルレーヌについては、
レオナルド・ディカプリオ主演の映画『太陽と月に背いて』が興味深かったです。
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