『青春のお通り』
♪~「青い空 白い雲 みんな あたしのもの
それだけで それだけで 何もいらない~~♪」
主題歌「若い風」より
爽やかな歌声で始まる『青春のお通り』は、
吉永小百合さん出演作品の中でも、私のお気に入りの一つです。
オープニングは、まだ建設途中の「千里ニュータウン」を空中撮影しているもので、
その巨大さが実感出来ますね。
まだ土の部分も多く、重機らしき物も映っていました。
1965年の作品ですから、「大阪万博」より前なんですね。
これも、『風と樹と空と』と同じくお手伝いさん役ですが、
ショートカットで、大阪弁の小百合さんも可愛らしいですよね。
現在の“青春像”とは違うけれど、確かに“青春”そのものです。
ネタバレ↓
短大を卒業し、お勤めしていた“チャカリン(チャッカリスカヤ)”こと
南原桜子(吉永)は、両親が養老院(最近は耳にしない言葉)に入居したことで、
兄の家には居づらくなり、住み込みの就職先を見つけたのですが、
それは“お手伝いさん”…
桜子に言わせると、女中ほどボロイ商売はないのだとか…
食べることの心配は要らないし、
部屋代、風呂代、水道代、電気代、ガス代、
石鹸、チリ紙、歯ブラシ、歯磨き、スリッパ、サンダル、
オールあちらさん持ち、
さすが、チャッカリンです。
用意周到なことに、無料の「家事サービス職業訓練所」に通っていたとは…
しかも、就職先への条件は、
病人がいないこと、
赤ん坊がいないこと、
昔気質の舅姑がいないこと、
生意気盛りの中学生、高校生がいないこと、
運転手付きの自家用車があって、
プールがあって、
冷暖房完備、
犬は一匹、
ベット付きの独立した女中部屋があり、
朝は遅く、
時間はルーズで、
勤め人や商売人ではなく、
明朗で自由な文化的な家庭…
有り得ないような条件なのにあったとは、フィクションの世界は素晴らしい。
ところで、短大よりの仲良しの、ケロリン(ケロリンスカヤ)こと久子(浜川智子)と、
キドリン(キドリンスカヤ)こと中子(松原智恵子)、そして、チャッカリ、
この、スカヤ3人娘の洋服が素敵なんです。
どれもシンプルですが、お洒落、
特に桜子が着ていた黄色のアンサンブルは、
Aラインのドレスも、ショールカラーのボレロも可愛いらしかった…
私は世代的に違うけれど、3人のフワフワのネグルジェも懐かしい…
続編の『青春のお通り 愛して泣いて突っ走れ』も、是非見たいのですが、
何度もリクエストも、未だに実現してません。
<映画の中(昭和40年頃)の物価>
マーケットにて
青菜(ホウレン草?)3把→20円
ピーマン200グラム→60円
コノワタの瓶詰め(小)→190円
コノワタの瓶詰め(大)→300円
夏みかん(オレンジ?)→40円
レタス(値切り倒して)→25円
魚のアラ→30円
鯛の刺身→300円
桜子が壊した浪花家の高価なお皿1枚→1.500円
チンパンジーのアテレコをやっている、
久子の兄の圭太(浜田光夫)の1ヶ月の手取り→20.000円
桜子の両親が入った、
死ぬまで面倒見てくれる超豪華な老人ホーム“楽友クラブ”→100万円
桜子が圭太に「浪花先生に頼んでやる」と言っていた
ドラマ出演のギャラの金額、
30分もの1本→5.000円、1月の手取り(税込み)→60.000円
以上でした。
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