『シベールの日曜日』
その昔、『シベールの日曜日』(1962年)という、フランス映画がありました。
12歳のシベールは、父親に寄宿学校に入れられましたが、
「会いに来る…」と言い残して去った父は、
二度と現れることはありませんでした。
そう、彼女は、捨てられたのでした。
そして、シベールは、天涯孤独な身の上になったのです。
戦争中、戦闘機のパイロットをしていたピエールは、
墜落事故により、記憶を失った青年です。
恋人とも、芸術家の友達とも、以前のような感情は持てないのです。
ふとしたことで出会った孤独な二人は、
日曜日ごと、幸せな時間を過ごすのでした。
ピエールを父親を偽って…外出許可が下りないために…
無邪気に遊ぶ二人の姿は、まるで兄妹のように楽しげです。
この湖畔での映像は、動く水墨画のように美しい。
まさに、彩色を必要としない美の世界です。
しかし、幸せな時間は余りに短く、やがて最悪な結末を迎えるのでした。
洋の東西を問わず、そして、いつの時代でも、
見えている部分だけで評価されるのです。
たとえ見えない部分が純粋なものであったとしても…
世間一般の物指しからはみ出した者は、社会から抹殺させられるのでしょう。
『シベールの日曜日』は、
アカデミー外国映画賞、ヴェネチア映画祭特別賞などを受賞しました。
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コメント
katarohina 様
コメントありがとうございました。
『シベールの日曜日』は、遙か昔に見ましたが、とても悲しい物語でした。
辛いラストが忘れられません。
マシュウを目標ですか・・・頑張ってください。
私も“マリラ”を目標にしたいけれど、高望みは止めておきます。
投稿: Michi | 2008年2月28日 (木) 22:01
シベールの日曜日は最高です。自分もレイチェルに見つからないようにアボンリーに住んでます。もう爺さんだからクスバート家のマシュウを目標に頑張ってます。よろしく。
投稿: katarohina | 2008年2月28日 (木) 20:17