« 2007年10月 | トップページ | 2007年12月 »

2007年11月

アビゲール叔母さんの家

「アボンリーへの道」で、教会、灯台、駅が複数存在したことを書きましたが、
逆に、建物を使い回ししていた事には、お気付きだったでしょうか?

アビゲールの家が最初に登場したのは、第7話「アビゲールの求婚者」、
その時は、赤い雨戸の可愛らしい家でした。

次にアビゲールが出ていた第34話「吹雪のち晴れ」では、家は登場しません。

次の第83話「愛の再発見」では、4年ぶりに帰ってきたマキューアン一家。
以前とは違うグリーンの屋根の家だったから、別の家を購入したのかと思ったら、
「懐かしいわ~この家、私達が留守の間、ずっと手入れしてくれたのね。
昨日まで居たみたい…」
と言うアビゲール…内部も全く違っていたのに…

第88話「90歳の誕生日」では、外観が映りましたが、
どうやら「愛の再発見」の家と同じみたいでした。

でもこの家、第64話「恋に夢中」、第65話「牧師の妻」の時は、
アボンリーの牧師館だったのですよね。

つまり、アビゲールの家は、2種類あって、尚かつ、使い回しだったわけですね。

A010 A011 A012

|

アボンリーの駅

アボンリーへのアクセスは、船?…列車?…馬車?
アボンリーに港は無いようなので、きっと、シャーロットタウンまでが船で、
そこからは、列車だったのでしょうね。

手元の『「赤毛のアン」の生活事典』(テリー神川・著、講談社)を見てみたら、
当時の交通事情について、詳しく書かれていました。

プリンス・エドワード島の鉄道は、1871年に工事が開始し、1975年に完成。
しかし自動車の普及に伴い、1969年には旅客列車は廃止され貨車のみに…

そして、1989年には、ついに鉄道の歴史に幕が降ろされ、
現在では、線路のほとんどが撤去されてしまったのだそうです。

蒸気船は、サマーサイドとシャーロットタウンに着いていたとのこと。
(冬期は、ジョージタウンの港に)

「アボンリーへの道」では、駅のシーンも多くありましたが、
映像は、いつも第1話のセーラが映っているものだったです。
いわゆる“使い回し”ということですね。

それより、時々、もっとシンプルなアボンリー駅も登場していたのですが、
これ、どういうことなのでしょうか…?

A007 A008 A009

|

アボンリーの灯台

プリンス・エドワード島には、多くの灯台があるそうですね。
クラシカルで美しい灯台は、観光スポットにもなっているようです。

「アボンリーへの道」でも灯台は、度々登場していましたが、
第1シリーズで灯台の記憶はありません。
ただ、オープニングには映ってはいましたが…

でも、イジーケル・クレーン船長の灯台は、それとは違う灯台でした。
船長が去った後は、ガス・パイクの住処となりましたが、
ガスが島を去ったあとは、誰が守っていたのかは謎なのです。

この灯台が登場するようになったのは、第2シリーズから、
つまり、ガスと共に灯台もレギュラーとなった訳ですね。

そして、ガスがレギュラーでなくなってからは、
灯台の出番も、ほとんど無かったような気がします。

灯台が映っていたので憶えているのは、
第7シリーズ、第81話「移動博覧会」だけ…

ところで、ガスの灯台はオープンセット(可動式?)とのことです。
内部は、スタジオでしょうね。

A004 A005 A006

|

アボンリーの教会

当時の欧米では、宗教(キリスト教)が生活と密接な関係にあったようですね。

毎週日曜日には、大人も子供も、よそ行きに着替えて教会へ行き、
礼拝の後には、牧師さんのお説教を有難く聴くのです。
また子供達には、日曜学校がありました。

「アボンリーへの道」でも、子供達の会話にまで、
“長老派”とか、“メソジスト”とかが出てくるのですよね。

ところで、アボンリーの教会が、途中から違う建物に変わったことに、
お気付きだったでしょうか?
私は、後の方が好きでしたね。可愛らしかったから…

A002 A003

 

|

「世界ウルルン滞在記」…ベルギー(バッグ)

今夜のウルルンは、ベルギーで、オリジナル・バック作り。
老舗ブランド、デルボー社に、自らのデザイン画を持参した旅人は、
女優の賀来千香子さん。

ベテラン職人のマルセルさん、リディアさんご夫妻のお宅にホームスティして、
バッグ作りに挑戦…まさに手取り足取り状態で、面倒を見てくれました。

このご夫婦、本当に素敵でした。
職人としての誇りを持ち、寡黙ながら優しい眼差しのお二人は、
話す言葉の一つ一つが、詩的で哲学的でした。

今回のウルルンは、いつもと何かが違う…
ウルルンと言えば、初日こそ身綺麗ですが、
翌日はすっぴんで、芸能人とは思えない奮闘ぶりを見せてくれるのに…

やはり長年女優さんをされているからでしょうか、
ずっと身綺麗なままだったし、表情も常にカメラを意識していたように見えました。

それに、場面が変わる度に洋服も替わっていました。
あれでは、トランクが28キロになるのも無理ないですね。

私には物欲は無いし、ましてブランドのバッグには興味もないのですが、
バッグに限らず、自分のイメージ通りのものが自分で造れるなんて羨ましい。

しかも、ギャラを貰えてなのですから…

|

『ワイルド・スワン』

書店の前を素通り出来ない私には、
たまに、思い掛けない素晴らしい出会いが待っています。

15年くらい前に出会った、『ワイルド・スワン』(上・下刊、講談社)も、
そんな一冊でした。

著者は、中国生まれで、イギリス在住の中国人女性、ユン・チアン…
この本は、中国の軍閥時代、日本による侵略時代、抗日戦争時代、
中国革命、文化大革命、そして、その後を生きた彼女の祖母、母、
ユン・チアン自身の人生が描かれていました。
中でも、彼女の祖母と母の生涯については、特別詳しく描かれていました。

お祖母さまは、女性が“纏足(てんそく)”をされていた時代の方で、
その辛さなどは想像に難くないものでした。

中国の歴史に、国家としての日本も、大きく関わっていたことを考えると、
決して、他人事では済まされないことですし、
現在もなお、根強く反日感情が存在していることも頷けます。

この一族だけでなく、動乱と激動の中国に生きた中国の人達に比べたら、
(また、同年代の著者が「紅衛兵」で体験したことを考えても、)
平和で安穏とした時代を送り、ぬるま湯に漬かっていた自身を思うと、
恥ずかくもあり、また日本人の一人として、申し訳なくも感じたのでした。

世界の多くの国で翻訳出版され、いずれもベストセラーになっていますが、
本国の中国では、今後も出版される見込みはなさそうです。 

20071125
『ワイルド・スワン』上下 ユン・チアン 土屋京子 訳 講談社

|

『大地の子エイラ』シリーズ

25年ぐらい前のこと、何気なく新聞の書評に目をやると、
「読み出したら止まらなくなる本…」の文字に吸い寄せられました。

本の題名は、『大地の子エイラ』、
“本当かしら…?”、半信半疑でしたが、なぜが見過ごす事が出来なくて、
催眠術に掛けられたかのように、手にしていたのでした。

ハードカバーのその本は、細かい文字が二段に印刷されていて、
相当読み応えのありそうなものだったから、
正直、読み切れる自信は無かったのですが…

しかも、『大地の子エイラ』の後に、
『恋をするエイラ』『狩りをするエイラ』『大地をかけるエイラ』と続き、
それぞれが、上・中・下 と分かれているのです。(詳論社版)

舞台は、紀元前3万年前の氷河期の終わった頃、
大地震で、両親ばかりか一族を失ったクロマニオン人(新人)の少女が、
ネアンデルタール人(旧人)一族に拾われ、
エイラの名前で育てられ、そして成長していく様子が描かれています。

想像も出来ない太古の時代の生活ぶりが、生き生きと描かれ、
まるで映像を見ているかのように浮かんでくるのです。
実際、読み出したら、のめり込んでしまって、
正に、むさぼるように読み耽ってしまいました。

ジーン・アウルのこのシリーズは、集英社からも出版されているので、
そちらも読んでみたいとは思うけれど、
もう、そんな気力が無いと言うか…確かに、決心が要りますね。

もし、再び、読み出したとしたなら、
ブログの更新は、間違いなく、当分なくなること請け合いです。

|

すさまじきもの

『枕草子』は随筆だから、清少納言個人の感覚もさることながら、
当時の貴族階級の人達の、意識などが分かるところも面白いです。

たとえば、
第二十二段すさまじきもの(興醒めなもの)の中の一文では、
平安時代が、中央集権であったか、
貴族が、いかに思い上がっていたかを垣間見ることが出来ます。

 <原文省略>
 …地方から送られて来た手紙に、
 その土地の土産物が添えられてないのは、ガッカリですよ。

 京からの手紙に、土産物が添えられてなかったら、
 同じように思うのかも知れないけれど、
 だけど、都からの便りには、都の情報が書かれているわけだから、
 土産物なんかより(都の出来事が知ることが出来るので)、ずっといいでしょ。

いかにも貴族らしい、身勝手な言い分だと思います。

|

「吉永小百合~知られざる“母”への思い」

18日のNHKスペシャルは、「吉永小百合~知られざる“母”への思い~」でした。

いつだったか、最初に番組のHPを見た時は、
確かに、「吉永小百合~知られざる“母”との葛藤」というタイトルでしたが、
翌日には副題は消え、「吉永小百合(仮題)」に…
どうやら、最終的に、このタイトルなったようですね。

やはり、当初のタイトルでは、まずかったのでしょうかね?
ともあれ、番組は期待して見ました。
例の如く、録画して…

吉永さんと言って思い浮かぶイメージは、
名前に相応しい美しさ、清楚で聡明、知的で直向き、
そして、芯の強さ、などです。

62歳になられた現在でも、それが変わらないのは奇跡的ですよね。

続きを読む "「吉永小百合~知られざる“母”への思い」"

| | コメント (4)

『シベールの日曜日』

その昔、『シベールの日曜日』(1962年)という、フランス映画がありました。

12歳のシベールは、父親に寄宿学校に入れられましたが、
「会いに来る…」と言い残して去った父は、
二度と現れることはありませんでした。

そう、彼女は、捨てられたのでした。
そして、シベールは、天涯孤独な身の上になったのです。

戦争中、戦闘機のパイロットをしていたピエールは、
墜落事故により、記憶を失った青年です。
恋人とも、芸術家の友達とも、以前のような感情は持てないのです。

ふとしたことで出会った孤独な二人は、
日曜日ごと、幸せな時間を過ごすのでした。
ピエールを父親を偽って…外出許可が下りないために…

無邪気に遊ぶ二人の姿は、まるで兄妹のように楽しげです。
この湖畔での映像は、動く水墨画のように美しい。

まさに、彩色を必要としない美の世界です。
しかし、幸せな時間は余りに短く、やがて最悪な結末を迎えるのでした。

洋の東西を問わず、そして、いつの時代でも、
見えている部分だけで評価されるのです。

たとえ見えない部分が純粋なものであったとしても…
世間一般の物指しからはみ出した者は、社会から抹殺させられるのでしょう。

『シベールの日曜日』は、
アカデミー外国映画賞、ヴェネチア映画祭特別賞などを受賞しました。

| | コメント (2)

『小さな中国のお針子』

2002年フランス映画の『小さな中国のお針子』を観ました。

1970年代初頭の中国、文化大革命の真っ直中、
反革命分子の子として、再教育されるため、
山深い村に送られて来たマーとルオには、過酷な生活が待っていました。

(これ、『ワイルド・スワン』を思い出しますが、
ノンフィクションのに比べたら、やはり、生温さを感じます。)

バイオリンを見たこともない村人に、機転を利かせ、
モーツアルトのメヌエットを、「毛沢東を思って」にしてしまうところには脱帽…

マーとルオは、隣村からやって来た、
仕立て屋の老人と、孫娘の通称、“小さなお針子”と知り合います。
文盲の彼女に、禁じられている西洋の小説を、読んで聴かせるのでした…
(マーとルオ、個性に乏しいと言うか、区別が付き難くて閉口しました。)

続きを読む "『小さな中国のお針子』"

|

「世界ウルルン滞在記」…カルフォルニア料理

昨夜のウルルンは、カルフォルニア州サンフランシスコ、
カリフォルニア料理の「カリフォルニア・キュイジーヌ」に出会う旅。
旅人は、池内博之さんでした。

厨房に通されたシーンで、まず目に付いたのは、
調理台の上に、自然に置かれた青紫蘇のパックでした。
それから、日本語のラベルが貼られた調味料の数々も…

そしてもう一つ、厚さ10㎝位はありそうな、木製のまな板も…
海外の厨房での映像で、あのようなまな板を見たのは初めてな気がします。
日本の物と思っていましたが、外国の人も使っていたのですね。

もっとも、世界中の食材や調味料を揃えているのですから、
調理器具だって、取り入れているとも考えられますが…

オーナーでカリスマシェフでの、ゲーリー・ダンコさんの創作料理は、
世界中の食材から造られるのですが、
その組み合わせは、凡人には思いもよらぬものばかりで実験みたい…
でも、ゲーリーさんの頭の中では、しっかり結果が見えているのでしょうね。

ところで、カリフォルニアレーズンって、
あんなにシンプルな方法で造られていたとは…

少々不衛生な気がしないでもないのですが、自然そのもの…
カリフォルニアの強い日差しに照らされて、美味しそうでした。

|

浜田光夫さん

中学生の頃は、吉永小百合さんのファンである親友に付き合って、
日活の青春映画を観に行ったものでした。

当時は大抵2~3本立てで、料金も安かったような記憶があります。
私は、小百合さんの大ファンでもなかったけれど、
それでも、スクリーンの小百合さんに釘付け状態でした。

それから、何十年も経って、もう青春映画のことも忘れていたのですが、
BSの映画を懐かしさから観るようになってから、意外な発見がありました。
それは、浜田光夫さんの魅力です。

演技力において、小百合さんに優っていることは勿論ですが、
どんな役柄であっても、嫌みがなく、自然で、
一見頼りなさそうですが、優しく誠実で、実は頼もしい男性なんですね。

笑顔が素敵で、キラキラした瞳と、真っ白な歯が眩しいナイス・ガイ…
観た中では、『泥だらけの純情』が最も素敵でした。

でも、なぜ当時はそれに気付かなかったのでしょう?
(好感は感じていましたが…)
きっと、小百合さんばかり観ていたのでしょうね。
浜田さん、ごめんなさい。

浜田さんの作品で、小百合さんとの共演映画以外で観たものは、
和泉雅子さん主演の『不良少女』だけだったような…
でも、残念なことに、浜田さんの記憶がないのですよね…

もう二度と、お二人の共演は無いのでしょうか?
『風と樹と空と』の40年後なんかを、観てみたいな…

|

『キューポラのある街』

『キューポラのある街』と言えば、吉永小百合さんの代表作品ですね。
もちろん、私も観ました。
早船ちよさんの原作も読みましたよ。

でも、悲しいことに、ほとんど憶えていないのです。
まだ小学生だったし、ボンヤリしていたのでしょう…

TVで観たことがないというのも、我ながら意外…
BSでも放送されたとは思うけれど、チェック洩れだったのかも知れません。

ビデオ、DVDも発売されているし、レンタルもされているにも関わらず、
昔、観ただけだなんて…

清楚で溌溂とした、若き日の小百合さんを、もう一度観たい…
バンビみたいな浜田光夫さんの、爽やかな笑顔も…

|

『愛と死をみつめて』(1964)

『愛と死をみつめて』という映画がありました。
大島みち子さんと河野実さんの書簡集の映画化で、
TVでもドラマ化されましたが、
私が観たのは、吉永小百合さんと浜田光夫さんの作品だけ。

青山和子さんの、“マコ、甘えてばかりでごめんね…”で始まる歌も大ヒットし、
聴くだけでも泣けてしまう人もいたのでしょうが、
余りにヒットし過ぎて、耳にタコが出来た程…

私は、小百合さんが歌った主題歌、「愛と死のテーマ」の方が好き。
“あなたのこと、マコって呼んでいい?わたしミコ、
マコとミコ、ミコとマコ、とってもいい感じよ。うれしいわ”
のセリフがちょっぴり照れくさく、乙女チックな詩でしたけれど…

大島みち子さんのイメージは、清楚で知的な小百合さんそのもの、
学生服姿の浜田さんも、誠実そうな苦学生にピッタリ…
逢えない臨終シーンは、何度観ても必ず泣けてしまったのでした。

2冊の本はベストセラーとなり、映画、ドラマ、歌も大ヒットで、
河野さんの将来はどうなるのだろう?一生結婚出来ないのでは…?
などと、当時子供だった私ですが、人ごとながら気になってしまいましたが…

続きを読む "『愛と死をみつめて』(1964)"

|

『草を刈る娘』

年間300本以上も、見た年もあった程の映画好き、
でも、その99%は海外の映画なのです。

それなのに、吉永小百合さんの映画ばかりを取り上げている…
NHKBSで放送されると、懐かしさから、つい保存してしまうのですよね。

石坂洋次郎原作の『草を刈る娘』も、保存してあった映画です。
1961年製作で、吉永さんも浜田光夫さんも高校生だったはず…

お二人とも、メークでも隠せない位、ニキビがありました。
(最近の高校生も、ニキビがあるのかしら?)

ネタバレ↓

続きを読む "『草を刈る娘』"

|

あれっ?…(6)

フェリシティのために、ホテルの仕事を頑張ってきたガス、
副支配人に昇進したことで、胸を張って、求婚しました。

フェリシティの方は、女医を目指し、医科大学にも合格したことで、
すぐに結婚する気持はありません。

それでも、ガスと別れたくない彼女は、結婚を選びましたが、
フェリシティの本心を悟ったガスは、苦渋の選択の末、
島を去る決心をしたのでした。
本当は、すぐにでも結婚したいのに…

“…指輪を受け取って欲しいんだ。もう一度…約束はいらないよ。
 落ち込んだり、一人で寂しい時、それを見て、思い出すんだ。
 …オレが付いてるって…”

あまりにも切なく、悲しい別れのシーン!

ミュリエルの店の中と、店の外で、馬車から出てきた時では、
ガスの服装が違っていました。

ミュリエルの店がスタジオのセットだからでしょうね…
(どこが違うかお気づきでしたでしょうか?

6301

<第5シリーズ>
第63話「ガスの求婚」(Otherwise Engaged)より               

|

あれっ?…(5)

16歳のフェリシティは、周囲の友達が子供っぽく思えて仕方ありません。
フェリシティは、ガスと話しがしたいのですが、
みんなに邪魔されてばかりで、チャンスが無いのです。

一方、「賽の河原」状態の家事にウンザリしているジャネット…
そんは母を見て、彼女は名案を思いつきます。

それは、家族ばかりか、セーラ、ヘティ、ペティポーン家まで巻き込み、
肝心のガスをも騙すものだったのです。

さて当日、家族を送り出してからが大変、
大あわてで、二人だけのディナーの準備をするフェリシティ…

テーブルクロスを交換し、客用食器やキャンドルなどをセットし、
お鍋を確かめてから、身支度のため2階へ急ぐ…

ジェネットからの招待と信じているガスは、約束通りやって来ましたが、
二人だけと分かり、明らかに動揺の色を隠せません。
案内されたダイニングには、キャンドルに灯りが点されていました。

 4601 4602

…キャンドルの長さが違います。
灯りを点している方が短いのなら、辻褄は合うのですが…

それとも、ガスが来る直前に、短い!と気付き、交換したのかも?
…気にし過ぎですかね。

<第4シリーズ>
第46話「それぞれのデート」(The Dinner)より

|

「世界ウルルン滞在記」…中国、雲南省

今回のウルルンの地は、中国・雲南省、旅人は安田美沙子さん。

山間地帯に広がる、3.000段以上もあるという「大棚田」は、絶景でした。
そこで暮らす人達は、民族衣装を身にまとい、伝統的な農業を行っている
ハニ族の皆さん…

李さん宅にホームステイした安田さんでしたが、
お父さんは、何か言いたげなのに、とってもシャイで言葉が出ない…

それまで、外国人を見たことが無かったのかも知れませんね。
でも、慣れていくうちに、お父さんの全身が優しさで包まれていました。

生活方法は異なっていても、なぜが異文化コミュニケーションという感じがしない、
やはり、同じ北部モンゴロイドだからなのでしょうね。

翌日は、民族衣装に着替えての農作業のお手伝いでしたが、
素足で水田に入っての稲刈り…
慣れない鎌で、おみ足を傷付けたら大変!と、老婆心ながらハラハラしました。

また、生まれてからこのかた、アルコール類といえば、
(トータルしても)ビールをグラス1杯位しか、口にしたことがない私には、
安田さんの、あの飲み方は、信じられないですよ。

大気汚染のない場所での完全有機栽培農法、
それを食しているのですから、羨ましい限りですね。

でも、あの強烈な紫色のゆで卵…何で着色してあったのか気になりました。
いくら殻とはいえ…
人工着色料でないことを願うばかりです。

|

『次郎物語』

『ふしぎな少年』が懐かしいテレビ番組だったなら、
それより数年後に、やはりNHKで放送していた『次郎物語』は、
私にとって、思い出深いテレビドラマです。

下村湖人の小説のドラマ化で、
天才子役と言われていた、私より少し年上の池田秀一さんが次郎役でした。

男ばかりの3人兄弟の真ん中の次郎…
母親が病弱で、母乳が出ないという理由で、乳母に育てられ、
彼だけが里子に出された訳ですが…

それなのに、弟が生まれ家で育てられている、
当時の私には、それが理不尽に思えて、到底、理解出来なかった…

しかも、長男は恭一で、三男は俊三…次男だけが次郎だなんて…
家の中に居場所はなく、傷付きながらも、それでも逞しく成長していったのです。

もう一度観てみたいと、数年前にリクエストをしましたが“梨のつぶて”…
もう保存されていないのでしょうか?
それとも、今の時代にそぐわない内容だからなのでしょうか…?

現在、池田秀一さんは、声優をされているそうですね。
私はアニメも、吹き替え版の洋画も観ないから、中々機会がないのですが、
海外ドラマの吹き替えで、池田秀一さんのお声を耳にしたことがあります。
とても若々しくて、丸刈りの凛々しい少年当時を彷彿させてくれました。

当時読んだ文庫本の『次郎物語』5冊は、
45年近く経った今でも、本棚の隅で、お行儀良く待機しているのですよ。

20071111
『次郎物語』 下村湖人(角川文庫)

|

『ふしぎな少年』

子供の頃、『ふしぎな少年』(NHK)というドラマがありました。
不思議な少年役は太田博之さん…少々ふっくらした美少年でしたね。

この少年には、時間を止められるという、特別な能力が備わっていて、
何かトラブルがあったりすると、「時間よ、止まれ!」と叫ぶのです。

すると、それまで大騒ぎしていた人達が、一斉に静止状態になるというわけ。
少年(名前は忘れました。)が、時間が止まっている間に、解決するのですが…

みんな、動かないようにはしてますが、どうしても瞬きしたしてしまったり、
無理な体勢での静止は不可能だから、必ず動いてしまうのですよ。

当時は、今みたいな技術がなく、ドラマも生放送だったらしいのです。
(黒柳徹子さんの『トットチャンネル』にも、
テレビ創世記の頃の信じられないようなことが書かれていました。)

今だったら、大騒ぎででしょうね。
テレビ局には、苦情やお叱りのメールやファックスが殺到し、
掲示板には、罵詈雑言が…

でも当時は、大人も子供も、「あっ、動いた!」と、結構楽しんでました。
現代人より、寛容だったのかも知れませんね。

|

『青春のお通り』

♪~「青い空 白い雲 みんな あたしのもの
      それだけで それだけで 何もいらない~~♪」
                                                                            主題歌「若い風」より

爽やかな歌声で始まる『青春のお通り』は、
吉永小百合さん出演作品の中でも、私のお気に入りの一つです。

オープニングは、まだ建設途中の「千里ニュータウン」を空中撮影しているもので、
その巨大さが実感出来ますね。
まだ土の部分も多く、重機らしき物も映っていました。
1965年の作品ですから、「大阪万博」より前なんですね。

これも、『風と樹と空と』と同じくお手伝いさん役ですが、
ショートカットで、大阪弁の小百合さんも可愛らしいですよね。

現在の“青春像”とは違うけれど、確かに“青春”そのものです。

ネタバレ↓

続きを読む "『青春のお通り』"

|

『風と樹と空と』

石坂洋次郎原作『風と樹と空と』(1964年)では、溌溂とした吉永さんが見られます。
また、私の世代には、懐かしさを感じさせるシーンが満載です。
谷内六郎さんの絵も、楽しみの一つでした。

高校を卒業した沢田多喜子(吉永小百合)は、
集団就職するため、駅に向かうのですが、
多喜子と両親の3人は、オート三輪の荷台に載っているのですよ。
(そんな時代もありましたね~)

BG(ビジネス・ガール)になっても、ろくな給料は貰えない”からと、
多喜子は、安川家のお手伝いさんになったのでした。

(昔は、お手伝いさんも就職先の一つとして考えられてたのですね。
また、お金持ちのお屋敷には、
ばあやさんとか、お手伝いさんとかがいたのですね。
今の時代では、通いの家政婦さんですね。)

ネタバレ↓

続きを読む "『風と樹と空と』"

|

『伊豆の踊子』(1963)

「道はつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思う頃…」
で始まる、川端康成の『伊豆の踊子』は、
本を読まない人でも、ご存じでしょう。
何度か映画化されましたが、私は“吉永小百合さん主演”のみ拝見しました。

山深い天城の風景から始まるのかと思いきや、
大学の講義風景なんですよね…

外に出た教授(宇野重吉)に、一人の男子生徒(浜田光夫)が近づき、
仲人を頼むのですが、
相手の女性はルミという名のダンサー(吉永小百合)…
ダンサーと聞いて、教授は40年前の出来事を回想する…

ネタバレ↓

続きを読む "『伊豆の踊子』(1963)"

|

あれっ?…(4)

これは、明らかに“ミス”でしょうね。

アレックの親友エメットが、妻と赤ん坊を連れ、アボンリーに戻って来ました。
再会に喜んだ二人は、船で釣りに出かけたのですが、事故で船が爆発…

灯台にいたセーラ、フェリシティ、ガスの3人は、
その爆発音で灯台を出るのですが…

ガスは、確かに読んでいた本を、机に置いて出て来たのに、
次の灯台の外では、置いて来たはずの本を右手に持っているのです。
しかも、直後は持っていません。

セーラとフェリシティの帽子の被り方も、微妙に違いました。

4301 4302 4303

<第4シリーズ>
第43話「亡き親友の妻」(Everlyn)より

|

「世界ウルルン滞在記」…カンボジア、クォーム・ソムノール村

今回の旅は、カンボジア・トンレサップ湖のクォーム・ソムノール村。
巨大湖に浮かぶ小さな学校に、先生として訪れたのは宇梶剛士さんでした。

驚いたことには、子供達は日本を知らなかったばかりか、
キリンの存在も、地球が丸いことも知らなかった…
そして、思いっきり走ったこともないのです。

まるで、江戸時代の寺子屋みたいな学校ですが、
みんな好奇心一杯で、宇梶先生に質問していましたね。

たとえ日本に比べて、設備とか、生徒の学力とかが劣っていたとしても、
ここの学校には、いじめも自殺も無いでしょう。
楽しく、仲良く、生き生きと学べる場所であることの方が大切なような気がします。

裕福とは思えない人達が、運動場のために、厭な顔もせず出資してくれるのも
素晴らしいですよね。
給食費を払おうとしない親がいる国とは大違いですよ。
(親ばかりが教師までも…ホント情けないです。)

子供達はみんな、無邪気な笑顔を見せてくれました。
そんな中、最後に詩(散文詩かな)を読んでくれた少年だけは、
他の子とは違う表情をしていましたね。

宇梶先生と出会いによって、
この少年の人生は、変わって行くのではないのでしょうか。
「若者たち」の歌詞のように…

送る人達も去る人も、“さようなら”ではなく、“ありがとう”と言っていた
別れの場面は感動的でした。

ところで、今回に限らず、潔癖性気味の私が気になるのは、
水上生活者の生活用水などです。

あの湖にしても、“お風呂”にしていましたが、清潔とは思えないし、
それに、飲料水はどうしているのでしょうか?

|

『泥だらけの純情』

藤原審爾原作の『泥だらけの純情』(1963年)は、
吉永小百合さん、浜田光夫さんコンビの代表作の一つですよね。

外交官令嬢・真美(吉永)と、チンピラ・次郎(浜田)の、
住む世界の違う二人の、余りにも切ない純愛物語です。

まだ、お二人ともニキビがあったりで、とても若々しかった。
特に浜田さんは、颯爽としていて、本当に輝いていましたね。
また、和枝役の和泉雅子さんも、とっても可愛らしかったです。

主役は吉永さんなのでしょうが、
題名自体も次郎のことのように思えるし、登場シーンの多さから言っても、
また、ラストのセリフ(「不器用だな。オレって。」)から言っても、
主役は次郎に思えて仕方ないのですが(Fools and Kings)

ネタバレ↓

続きを読む "『泥だらけの純情』"

|

あれっ?…(3)

これも同じく衣装の矛盾です。

アレックには内緒で、内職を始めたジャネットでしたが、
届いたのは、詐欺まがいのインチキ商品ばかりでした。

購入した婦人達からの苦情は殺到し、アレックには叱られる始末…
しかも、内職斡旋所のカーン・タイシーは、代金の取り立てに来ると言う。

ベッキーが、その電話の“カーン・タイシー”を“皇太子”と聞き間違えたことから、
ヘティ始め、ホテルで会を開いていた「貴婦人会」の御婦人達は大騒ぎ、
ホテルのオーナー、トレメインを問い詰めるため、
ヘティとオリビアは彼の部屋に入るのですが…

二人とも、入室前後の衣装が違う…どうなってるの?
同じ時に撮影されなかったって事なのでしょうが、
それにしても…すごくないですか?
                            
<第6シリーズ>
第72話「ないしょの内職」(Fools and Kings)より

|

あれっ?…(2)

最近「アボンリーへの道」から離れていました。
これ、“看板に偽りあり”ですね。
と言うわけで、“あれっ?”の続きです。
今回も、衣装の矛盾です。

将来の夢は、“物書き”というセーラ…
手始めとして、アボンリー新聞の記事を書こうと、
“骨董品の鑑定会”の取材に、ホワイトサンド・ホテルへ行くオリビアに、
同行させて貰いました。

美術品鑑定家のジェラルド・ヤング氏(実はジョナサン・ブラックウェル)の
取材後、キング家に戻った二人でしたが、(なぜローズコテージではないの?)
ホテルと、キング家とでは、セーラの衣装が違うのでした。

ホテルでは、白のブラウスに、ジャンパースカート、
キング家に戻り、コートを脱ぐと、
グレーのブラウスにブルーのカーディガン…
オリビアは、コートを着たままなので分かりませんが…

<第4シリーズ>
第50話「行方不明のジョナサン」(Disappearance)より

|

アジアに生きる子どもたち~友だちと、また遊びたい~

“アジアに生きる子どもたち”
「友だちと、また遊びたい」~フィリピン 農地改革に揺れる島で~を見ました。

ネクロス島のロブレスに暮らす、14歳のジュディマリーの願いは、
幼馴染みの親友ローリンと、前のように遊ぶこと。

ローリンとは、もう2年も話しすらしていないのです。

なぜなら、ジュディマリーは、“土地を求める親の子”で、
ローリンは、“農園で働く親の子”だから…

続きを読む "アジアに生きる子どもたち~友だちと、また遊びたい~"

|

« 2007年10月 | トップページ | 2007年12月 »