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『世界ウルルン滞在記』…未来への記憶(2)

続いての旅人は、永井大さん。
ブラジル、アマゾンの少数民族、カノエ族との出会いの旅でした。

白人に殺され、残ったのは、姉チラマントウさん、弟プラさん、
そして、5歳になる姉の息子のポクワ君の3人だけ。
5歳にして、驚くほど巧みな弓使いのポクワ君ですが、
彼のお父さんも殺されたのでしょうか?

目の前で家族や仲間を殺されたため、
弟にさえ、かたくなに心を閉ざし、
弟が作った食事も、30分後でないと決して食べない姉。

ところが、永井さんが、まずポクワ君と遊び始めると、
それを見ていたチラマントウさんの顔に笑みがこぼれたのでした。

永井さんとペアルックのTシャツを着せて貰った時は、
女性らしい恥じらいの微笑みを浮かべ、その晩は宿泊を認めてくれました。

カノエ族を発見し、ずっと保護してきた管理事務所の人でさえ、
彼女の笑顔は、一度も見たことがないというのに…

お別れの後、スタッフが忘れたタオルを届けてくれたポクワ君、
そして、「今夜も泊まればいいのに…」と、チラマントウさん…

外部の人と、初めてささやかな交流が持てた、カノエ族の人達。
でも、また、元の3人になってしまった…

お互い別れは辛いけれど、良い文明人もいることが分かって貰えたなら、
彼等にとっても、永井さんとの出会いは有意義だったのではないのでしょうか?

カノエ族の人達が哲学的な雰囲気だったのに対し、
近くに暮らす、別の少数民族である、アクンツ族の6人は、
カノエ族とは違って、とても無邪気で開放的な人達のようでした。

現在もアマゾンでは、1分間にサッカー場2個分の森が消えているとか…
何事も、少数派は消されていく運命なのでしょうか?
考えさせられます。

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