『ジェーン・エア』
「ジェーン・エア」は何度も映画化されていますが、
ロバート・スティーブンソン監督の「ジェーン・エア」(1944年アメリカ制作)と、
フランコ・ゼフィレッリ監督の「ジェイン・エア」(1990年イギリス制作)を観ました。
1944年作品は、エドワード・ロチェスター役がオーソン・ウェルズ、
ジェーン役はジョーン・フォンテインでしたが、
オーソン・ウェルズには、上流社会の紳士の雰囲気が感じられず、
ローレンス・オリビエの方が合っていたように思いましたが…
また、ジェーンは、慈善学校には10歳から10年間(原作では8年間)
過ごし、痩せてて容姿にも恵まれていないはずなのに、
ジョーン・フォンテインといえば、美しいし、大人っぽかったですね。
19世紀の女性は、20歳前後でも、現代人より落ち着いていたのでしょうが…
原作は一人称で書かれているため、寡黙であっても、
ジェーンの心の動きが良く分かりましたが、
映画版はセリフが少ないだけに、彼女の内面は想像するしかないのです。
それで、ジェーンのアップシーンが多かったのかも…?
(本人のナレーションもありましたが。)
ところで、ジェーンの唯一の友達の、ヘレン役ですが、
少女時代の“エリザベス・テーラー”だったのですね。
子供なのに大変美しく、しかも、大人の顔だったので驚きました。
驚いたと言えば、ジェーンの非情な伯母リード夫人の顔を見た時も…
女優の名はアグネス・ムーアヘッド…年格好も、衣装も全く違うのだけど、
映っていたのは、なんと、(奥様は魔女の)サマンサの母エンドラでした!
上げたアゴの角度といい、見下ろす目付きといい、紛れもなく、エンドラでした。
映画化6回目、フランコ・ゼフィレッリの「ジェイン・エア」の方は、
ロチェスター役がウィリアム・ハート、ジェイン役はシャルロット・ゲンズブール。
さすが、ゼフィレッリ監督、映像的にも美しく、
そして、かなり原作に近いように感じました。
物語の後半の、セント・ジョンも登場させていたし…
スレンダーなシャルロット・ゲンズブールは、薄幸なジェインそのものですね。
でも、なぜ、ウィリアム・ハートがロチェスターなのでしょう?
まるで、お父さんみたいなのに…
私としては、ジェレミー・アイアンズにして欲しかったです。
イメージにピッタリなのに…
現在の彼ではなく、もちろん、撮影当時のですよ。
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