『レベッカ』
『ジェイン・エア』というと、すぐ、思い出されるのが『レベッカ』です。
中・高校生の頃、三笠書房刊の「デュ・モーリア作品集」を読んでいましたが、
そのダフネ・デュ・モーリアの本達も、一冊を残して処分してしまったのでした。
…なんと愚かだったのでしょう!
無事、手元に残った一冊というのは、もちろん、『レベッカ』です。
“レベッカ”が、“主人公の名前では無い”というのも意外ですが、
主人公に名前が無いというのも、驚きますよね。
なぜ、主人公に名前が無いのかと言えば、
この物語が、一人称で語られているからなのです。
『ジェイン・エア』も一人称でしたが、会話の中で主人公の名は判りました。
でも、『レベッカ』には、登場人物紹介にも、“わたし”としか無かった…
とにかく、この2冊の本には、多くの共通点があるのですよね。
まず、主人公が若い女性の孤児で、身分も財産も無く、
容姿にも恵まれていないこと。
運命の糸に引き寄せられたかのように出会った男性は、大富豪の中年男性。
『レベッカ』の場合は、マンダレーという大豪邸の主(あるじ)の、
マキシム・デ・ウインター…
男性は不幸を背負っているようで、謎めいていて、近寄りがたい…
大邸宅には得体の知れない何かがあって、ヒロインは、いつも怯えている…
物語全体に漂う不安感や不気味さ、精神的に追い詰められていくヒロイン、
ラストもそっくり、館は何者かの手により焼失しますが、
それとは裏腹に、ようやくヒロインには、心の平安が訪れる…
といった具合に…
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