『レベッカ』
アルフレッド・ヒッチコック監督の『レベッカ』(1940年アメリカ)は、
原作を読んでいたもともあって、リバイバル上映された時には、
「待ってました!」とばかり、観に行きました。
でも、原作を読んだ時に、想像力が膨らみ過ぎたためか、
期待は裏切られたのでした。
霧に浮かぶ、巨大なマンダレーは、さすがに幻想的でしたが、
あの、自分が主人公になったかのようなドキドキ感もなく、
邸宅内部の謎めいた雰囲気や、レベッカの部屋の豪華さも、
ダンヴァース夫人の不気味さなども、本での想像力には及びませんでした。
「ジェーン・エア」と同じく、ヒロイン役はジョーン・フォンティーンでしたが、
原作での「オドオド、ビクビクといった場違いな様子」は少なく、
前妻の美貌にコンプレックスを抱くとは思えない位、美しく洗練されていました。
ローレンス・オリビエ扮する、マキシムも、いやに普通で…
原作は一人称で構成されていたので、主人公が“わたし”でも良かったけれど、
映画では、名前を呼ばれることもなくて、
読んでない人には、不思議に感じたかも知れませんね。
やはり、原作を読んだ時の感動以上を、映画に求めるのは無理なことかも…
及第点に達していたのは、「風と共に去りぬ」ぐらいだったでしょうか。
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