『父と娘の歌』
「あゝひめゆりの塔」や「愛と死の記録」と違って、
『父と娘の歌』(1965年)は、安心して観ることが出来ました。
いきなり大好きな、チャイコフスキーのピアノ・コンチェルトが流れ、
そして、ピアノを弾く小百合さんのシルエットが浮かびました。
否が応でも、期待が膨らむというものですよ。
まず登場した小百合さん(紘子)は、セーラー服姿…美しい女学生姿でした。
胸当ての無いセーラー服に、ドキッ…
ヒロインの紘子役は、小百合さんのイメージにピッタリでしたね。
聡明で明るく前向き、親孝行で健気で、貧しくても周囲の善意に支えられながら、
夢に向かって、ひたむきに努力する女性…
でも、ちょっとお茶目なところもあって…そこがまた魅力なんですね。
“美しさ”とは、内面が伴ってこそ感じられる。”ということが納得出来ます。
何より嬉しかったのは、絶え間なく流れている、妙なる調べなんです。
ショパンや、パガニーニなど、有名な曲ばかりでしたが、
とても癒され、得した気分でしたね。
阿川(浜田光夫さん)が、紘子の伴奏で「チゴイネルワイゼン」を弾いたり、
『椿姫』の「乾杯の歌」を歌った時は、(明らかに声は別人で)笑えましたが…
小百合さんは猛特訓して、撮影に臨んだそうですが、
実際の演奏者(多分、手のアップも)は、室井摩耶子さんでしたね。
紘子が喫茶店で注文したのは、“レモンスカッシュ”…思い出しますね。
昔はどんな町にも喫茶店があって、そこで友達と、長時間話したものでした。
女の子が注文するのは、大抵“レモンスカッシュ”だったような気がします。
そうそう、高3の紘子がアルバイトで始めた“ベビーシッター”の時給が200円…
また、今は亡き、宇野重吉さん、山田一雄さんも、お元気で…
懐かしいと言うより、人生の無常を、思い知れされましたね。
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