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『ボーイズ・ライフ』

『タイタニック』で、世界的な大スターになった、レオナルド・ディカプリオですが、
最近は、以前ほど話題に上がらないような気がします。

あの頃は、まだ少年の面影を止めて残していたディカプリオも、
今では、すっかりワイルドな男性に成ってしまって…

トバイアス・ウルフの自伝的小説の映画化『ボーイズ・ライフ』(1993年)は、
彼がまだ有名になる前の作品ですが、大変秀作だと思います。

1957年、母キャロライン(エレン・バーキン)は、恋人の暴力から逃れる為、
息子トビー(ディカプリオ)と、ユタ州を目指して車を飛ばします。
歌ったり、ふざけたりと、車中での二人は、とても楽しそう…

途中で、ポンコツ車は壊れ、ソルトレイク行きも断念した母子は、
その町に留まり、しばらく暮らしたのですが、
居所を突き止めた暴力男が現れたため、二人はシアトル行きのバスに乗る。

シアトルでの生活が落ち着きかけた頃、キャロラインは、
ドワイト(ロバート・デ・ニーロ)という、一見、紳士風な中年男性の求婚を、
受諾してしまった…
 
トビーは、プレスリーを気取った不良少年で、
転校先でも色々と問題を起こし、母親は学校から呼び出されますが、
キャロラインは、いつでも息子の味方なんですね。
これは中々出来る事ではないですよ。頭が下がります。

たとえ、自分の子供が悪いとしても、学校側の言い分が正しいとしても、
親(特に母親)は、いつだって、子供の味方であるべきなのですよね。

そして、キャロラインという女性は、いつも前向きで、お洒落で可愛らしくて、
母としても、女性としても素敵な人なんです。

そのキャロラインが、息子のために決断してしまったドワイトという男は、
見せ掛けの紳士の姿とは裏腹な、小心者で、自己中心的な暴力男でした…

キャロラインは、どこまで、男運の無い人なんでしょう…
と言うより、男性の本心を見抜けない人なのですね。

ドワイトは、外面は良いけれど、家庭内では、暴君で最悪な男、
トビー母子は、理不尽な彼の全てに、健気にも、耐えるのでした。

ドワイトに扮した、ロバート・デ・ニーロが余りにも上手かったので、
しばらくの間、デ・ニーロ自身も、最低男に思えてしまって…(笑)

不良仲間と一緒の時は、いつも突っ張って恰好付けているトビーですが、
親友のアーサーといる時だけは、本来の姿に戻って無邪気そのもの。

連弾しながら一緒に歌っている姿は、本当に楽しそうで…
この作品の中で、私の一番好きなシーンでした。

ところで、最近は「スパイダーマン』を演じている、トビー・マグワイアが、
トビーの不良仲間の一人として、出演していましたね。

また、ドワイトの長男役は、「アボンリーへの道」で、
イジーのお兄さんのアーサーを演じていた俳優さんでした。

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