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『ラヴェンダーの咲く庭で』

イギリス映画『ラヴェンダーの咲く庭で』(2004年)の舞台は、
1936年のコンウォール地方にある小さな浜辺の町。

ジャネット(マギー・スミス)とアーシュラ(ジュディ・リンチ)の二人の姉妹は、
そこで静かに暮らしていましたが、
ある嵐の翌日、海岸に若い男性が打ち上げられているのを見付けます。
二人は、足首を骨折していた異邦人の彼、アンドレアの看病をします…

幾つになっても、恋する心は失われないのかも知れない。
それは、分かるけれど、自分の孫ほどの相手を想ってしまうなんて…

でも、過ぎ去った長い歳月を忘れてしまった訳じゃないのに、
例えば、「年齢欄」に書き込む自分の年齢に、
「・・・いつの間にこんな年になってしまったのかしら・・・」と驚愕したり、
撮られた自分の写真を見た時、「人からはこんな風に見えてるの!…」と、
呆然となることもあります。
(写真は駄目。“左右が逆”より何よりも、主観で見てしまうから。)

つまり、年齢と気持は、一緒じゃないってことですよね。
まして、アーシュレは、ずっと少女のままの心を持った女性のようですし…

アンドレアがコンウォールを去る場面は、老姉妹のしたことを思えば、
(客観的に見れば)止む得えない手段だったと理解出来るけれど、
姉妹側から見れば、オルガのことを、まるで悪女のようで、
「何て、ひどい人なんだろう!」と思ってしまうのも仕方ないですね。

また、オルガが描いた肖像画は、彼が去ってから、どの位経ってから、
届いたのでしょうか?
直後ならまだしも、かなり経ってからだとしたら、やっぱりひどいです。

姉妹の心情は、たとえセリフが無いシーンであっても分かるけど、
アンドレアの気持は、今一つ、理解しがたかった…
コーンウォールが舞台なだけに、アンドレアの事は
“ファンタジー”だったのでしょうね。

疑問は、まだあって、
欧米では、赤ちゃんの時から、個室で寝ると聞いていたけれど、
あの姉妹は、ベッドを並べて寝ていましたよね?
年を取ると、一人じゃ、何かと心配なのかも知れませんね。

色々と疑問はあったけれど、「タイスの瞑想曲」も聴けたことだし、
美しい風景や、ノスタルジックなアンティーク家具や調度品も見られたし、
やはり観て良かったということですね。

姉ジャネットが、妹アーシュラに言った言葉の「人生は不公平なもの」、
これ、心から共感出来る自分が悲しい…。

ところで、「ピアノマン」は、今どこで何をしているのでしょうか?

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